これはとある眼鏡の一生を描いた物語です。
眼鏡の歴史を重ねながら、”彼”はたくさんの人の手を経る旅をしていきます。譲られたり奪われたり拾われたり波乱万丈な数奇な運命に翻弄されつつも。
大切にされたり粗雑に扱われたりもしながらというのは、人の一生にも似ているかもしれません。物も出会いと別れを繰り返して思い出を積み重ねるのだなあと。
ラストの未来を感じさせる余韻も素敵です。
文学的で、眼鏡自身の語りというスタイルに合う、淡々としているようでリズミカル、軽快な文章が心地よく、するすると読めました。
登録:2022/4/25 17:35
更新:2022/4/25 17:35