嫁ぎ先の隣国の公爵家に冷遇され、「死んでみろ」と煽られるままに憎しみと恨みを抱いて自害したヒロイン。
嫁ぐ前に死に戻った彼女は、同じ道は歩まない……と両親の死や自領が戦争に巻き込まれるのを回避すべく行動を起こしていく。
前の人生では絡まなかった自国の王子と出会い、彼とのロマンスを繰り広げ全く新しい人生をやり直していく中で、自分をないがしろにした公爵やその関係者が没落・断罪されていく……という展開ならば、『ざまぁ』モノと言えるだろうが、全くそんなことはない。
ヒロインに助けられた王子は彼女に惚れてアプローチをかけてくるが、単なる当て馬にしかすぎない。
ヒロインをないがしろにした公爵は、彼女が死んでから自分や身内・使用人たちが、歩み寄ろうとしていた彼女にどれだけ酷い仕打ちをしてきたのかを知り後悔し、同じように死に戻る。
「今度こそヒロインには幸せになってほしい」と彼女を守るために全力で奔走し、ボロボロになり、その姿にヒロインは絆され愛するようになり、二人はハッピーエンド。
ざまぁではなく、ヒーローとヒロインのすれ違いのやり直し恋愛物語、の方が正しいと思う。
死ぬまでにあそこまでのことをやられておいて許せるの? そんな簡単に絆されちゃうの? 守ってくれるのはありがたいが、それはそれこれはこれじゃない? と終始モヤモヤが凄かった。
文章も、地の文がヒロインの一人称「私」視点のものと三人称視点のものが入り乱れているし、読点で区切ればいいと思える箇所もやたらと句点を使って超短文で終わらせる……というのを繰り返していて、とにかく読み辛かった。
登録:2023/4/5 16:26
更新:2023/4/5 15:20