『役者は、己の役を愛している限り、舞台の上では自由である』
エピクテトス派のそんな言葉が残っているが、それは且に、この物語の主人公、アンナリーゼの如くだ。
この物語は、主人公であるアンナが、己が産む子『ハニーローズ』が国の未来を救うことを告げる予知夢を見ることから始まる。
アンナリーゼは、未来の事象節となるまだ見ぬ子の為に、己の人生をデザインし、歩み始める。
しかし、彼女は己の運命に縛られているわけではない。
天真爛漫な彼女は、天命に沿いながらも、友人達との交友を、家族との親愛を、婚約者との恋を、楽しみながら小気味良い足取りで人生を歩んでいく。
彼女は、全く自由に、人生を謳歌しながら、天命を果たそうと挑戦する。
繊細で柔らかな筆致で描かれたこの作品を、どうか楽しんで頂きたい。
登録:2021/7/10 00:54
更新:2021/7/23 17:15