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ノベルアップ+SF連載:13話完結

理氏とその世界について

★どんなことをテーマにした作品なのか? ザックリ言って理である。 人間そのものでもあるように感じるし、宇宙とも感じる。 【観測と前提とは?】 本編では普段と異なる使い方をしているとはあるが、本来の意味を知らなければ、どう違うのか理解も難しいと思うので、ここで辞書を引いてみた。 観測……天体・気象などの現象の変化を、観察・測定すること。転じて、ある事に基づいて推し測ること。(web調べ) 前提……推論の際、結論を導く基(もと)となる命題。転じて、ある事が成り立つための前置きとなる条件。(web調べ) もう一つこちら。 状態……事物が、その時にそうなっている、ありさま。特に、外面からでもそれとわかる様子。(web調べ) 【どんな物語なのか?】 世界の始まりについてから始まっていく。ここでわかるのは、世界の始まりについてそのものではなく、理氏という人物がどのような思考を持っているのか? ということだと思った。 この”世界の始まり”一つを取っても”誰が作ったのか?”、”どうやってできたのか?”ではなく”始まり”だということが述べられているように感じた。人は質問の意味を考えずに答えることがある。それは思い込みや先入観によるものが多い。あなたなら、その質問に何と答えるだろうか? 【好きな所や印象に残ったところなど】 ・アンケートに答えながら読み進めるスタイルというのはとても面白い。 まるで講義を受けているような楽しさがある。 ・観測と状態について、読んでいるうちにややこしくなったのは、分数の掛け算や割り算を理解しようとした時の心理に似ていて、笑った。 ・難しくはないが、何となくわかる。言いたいことはきっと簡単なことなのだが、それを理解しようとすると難しくなる。 ・言葉にするのは難しいが、当たり前のことを言っているのだと感じた。 (特に世界の終わりなど) *完結作品 【全体の見どころ】 読んで何について考えさせられるか? それが一番重要な部分であると感じた。つまり、物語においての作者とは何か? そしてどういう風に書いていくものなのか? そして人間とは何か? そんなことを考えさせられる物語だ。 言葉にし辛いものが多いのだが、人の先入観や思い込み、偏見は無から作られるものではない。巧く作品についての感想を表現するのが難しい作品だと思われる。読んだ方が理解できるのだ。 ここには、まさにその通りだと思うことが詰まっている。 これぞ百聞は一見に如かずだと思った。 何を言わんとしているのかは理解できる、ただ”どのようにして?”を説明するのがレビューであり、”どう感じたか?”を表現するのが感想である。それらを言葉にするのが難しい作品である。 あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? あなたならどんな感想を持つのだろうか。おススメです。

5.0
  • 作品更新日:2020/6/17
  • 投稿日:2021/11/29
カクヨムその他短編完結

運命の鎖に繋がれて

1 読む前の印象や予想など(表紙やあらすじなどから想像したこと) 運命共同体とは……運命をともにすることを相互に了解し合った複数の個人または団体。(コトバンク調べ) 相対性とは……反対語は絶対的。簡単に言うと”他と比べたさま”という意味らしい。(web調べ) あらすじから想像するに、相対性が必要だから運命共同体なのではないか?  と想像する。 2 物語は(どのように始まっていくのか?) 時のない世界で、互いに感情をぶつけるところから始まっていく。この物語で読者に提示されているのは”生きている”とは何かということ。その本質について考えさせられる物語である。あなたは一体どんな答えを出すのだろうか? 3 良かったところ。印象に残ったところ。好きなセリフなど。 ・”生きる”と”生きている”は似ているようで違う。その事について考えさせられる。 ・人が望む不老不死。それは何かを行うからこそ”意味”は見いだせるが、それは”何かができるから”こそであり”時間が進むから”でもあるように思う。 ・人は完全に一人になってしまったら、生きているのか自分で確認する方法がないと思う。 ・自分の過ちに気づいても、それは取り返しがつかない。 4 作品の感想 テーマがあり、それを表現し、読者に考えさせる。その為にはめでたしめでたしとならないことがある。例えば子供の向けの童話などでは、間にどんな酷いことがあっても最後はハッピーエンドだ。しかし元は、生易しいものではなかったらしい。なぜならそれは子供に見ず知らずの大人の残忍さや怖さを教えるためのものだからだ。時代と共にゆがめられたものが多く、本来の役目を果たしているか謎だ。そして大人に対しても同じような世の中であると思う。 ご都合主義でハッピーエンド。それでは本来伝えたいことも伝わらないのではないか? と思う。だがこの物語はハッピーエンドとは言えない。犯した過ちはなかったことにはならず、その間違いを正すこともできない。ただ死んだように永遠に生き続けるのだ。恐ろしい結末だと感じるが、メッセージ性は強い。 5 物語のその先を想像して 前述したように、生きているとは言えないまま永遠に生き続けるのだろうと思う。”生きている”とは何かについて深く考えさせられる物語であると感じた。 あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? お奨めです。

5.0
  • 作品更新日:2020/12/29
  • 投稿日:2021/11/29
カクヨムその他短編完結

天才

注意:犯罪を推奨しているわけではありません。 1 読む前の印象や予想など(表紙やあらすじなどから想像したこと) これについては、一度は考えたことのある人も多いのではないかと思う。イジメやパワハラ、性犯罪など。死んだほうが良いと感じる相手でも、殺してはいけない。それが法律。 性犯罪などは特に心の殺人と言われている。被害者は死ぬまで苦しまなけれなならないのに、加害者は再犯の確率が高くても刑期を終えれば出てくる。 またバイトテロなども同じだと言える。少し考えたら分かりそうなものなのに、会社だけではなく倒産すればそのせいで、職を失い路頭に迷う人が大勢出るのだ。人に迷惑をかける人間は、本当に生きる価値はあるのだろうか? そんなことを日々考えているので、実際に殺人を犯すことはないが理不尽だなと思う。なので共感する部分はある。 2 物語は(どのように始まっていくのか?) ある事件現場を目撃するところから始まっていく。暴力行為というのは正当化されることがない。しかし自己中心的な暴力以外のものも、存在するのではないかとは思っている。果たしてこの場合はどちらなのだろうか? 3 良かったところ。印象に残ったところ。好きなセリフなど。 ・犯罪を未然に防ぐことのできない世の中。未然に防げたら……と思う人、考える人は沢山いると思う。ドラマで観たことがあるが、それにはまた問題もおる。人権問題だ。これがあるからこそ、未然に防ぐための法律ができないのだと思う。それでも防げる犯罪はある、それは誰しも思うことだ。 ・正しいとも言い切れないし、それを世の中で推奨することもできないが、確かにその考え方は救われる者もいると思う。 ・家でしていることは外でも出る。そして自己中心的な暴力は、強いものへは向かない。体力や社会的弱者に向けられるからタチが悪いと言える。 ・正義の本質について考えさせられる。 4 作品の感想 犯罪を推奨しているわけではないが、論理として理解できる。 ニュースを見ていると、全てが該当するわけではないが”明らかに犯罪予備軍”と考えられる人間はいる。彼らは愛を知らない。痛みを知らない。理性を持たない。そして犯罪は太古からなくなりはしない。それでもまだ日本は平和な方だという。電車の中での凄惨な事件。連日見かける性犯罪。人は助け合って生きるのが常識であり良識であるにも関わらず、他人を脅かしている。 活きる価値のない人間は存在する。そして矯正されない人間もいるのだ。何故真面目に法律を守り、助けあって生きている人間の方が命や生活を脅かされなければいけないのか。そんなことを改めて考えさせられる作品であると感じた。 5 物語のその先を想像して 世の中は一人の正義ではどうにもならない。彼が仮に自分の正義を貫き、社会の中で生活し続けたとしても、救える命はわずかだ。だからと言ってアメリカのように銃を持てば、更に犯罪が増えるだけ。どうにもならない世の中が続いていくのだと想像する。 あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? お奨めです。

5.0
  • 作品更新日:2020/8/28
  • 投稿日:2021/11/29
小説家になろう恋愛連載:217話完結

幸福の国の獣たち

【簡単なあらすじ】 ジャンル:異世界(恋愛) 互いに別の目的を持ち旅をする二人が、あることをきっかけに出逢う。初めは目的地が同じため、同行していただけだったのだが、互い目的や行き先を知り、共に神々の世界『幸福の国』を目指し旅をする物語。 【物語の始まりは】 ある朝から始まっていく。主人公の一人(ララキ)はうだるような暑さ、湿気の中支度を整え旅へと。その街の中央部では異国の少年(ミルン)が朝食に悩んでいた。二人はここで出逢い、少女の旅の行き先と少年が何処から来たのかなどが明かされていく。 【舞台や世界観、方向性】 アンハナケウ……幸福の国。すべての始まりの場所であり。神々のおわす聖域。しかしそれは空想または想像のものだと思われていた。 W主人公(男女)。多神教の世界。 動物が喋る。これは、その辺にいる動物が話すわけではなく、一般的なイメージでは召喚獣のようなスタイルで呼び出した動物が喋るというもの。個々に個性があり、母親のようなものもいれば、相棒のようなものいる。 〈補足:個人的に調べた用語〉 【僥倖】ぎょうこう……偶然に得るしあわせ。 【他生】たしょう……(仏教)今生(こんじょう)に対し、現在の自分がその生れ変りである過去の生、および生まれ変わって行く未来の生。前世および来世。(web調べ) 【主人公と登場人物について】 少女ララキ……ある場所を探すために旅に出る。軽装。彼女には現代を生きる人には少し信じがたいような過去がある。 少年ミルン……地に足のついたタイプという印象。初めはアンハナケウをおとぎ話として、ララキの言うことをバカにしている素振りがあったが、彼女とともに行動しているうちに、決定的なものを見てしまう。その為、信じるざるを得ない状況となっていく。 初めは仲が良いとは言い難い関係であったが、互いに旅の仲間として、必要と感じるようになっていく印象。 【物語について】 ある者を探している少年と、ある者(正しくは人ではない)を救うために旅をする少女が、初めは偶然行き先が重なり同行しているが、彼女の目的を知り彼が自分の意志で、共にアンハナケウを目指す物語。 ララキの旅の行き先が分かったものの、ミルンに対し彼女は不愉快な思いをしているようである。それというのも、アンハナケウをおとぎ話とバカにされたからであろう。しかし彼女はその存在を確証しているような印象だ。不愉快な思いをし彼と別れた主人公であったが、何故か行く先々で出逢ってしまう。しまいには同じ場所へ向かうことを知り、同行することに。その頃には、彼の実力を知り不快感は消えていた。 この旅の中で、あることをきっかけに異変が起き始める。その原因に薄々気づいている二人。次の目的地に向かう途中で、またしても幻獣に出くわす。その戦いでミルンは怪我を負ってしまうが、その事がきっかけで謎の少女と出逢うのだった。 その後ミルンは、ララキの境遇について彼女から打ち明けられる。それは想像を絶するものであったし、にわかには信じがたい事実であったろう。だが、彼には信じるだけの理由があった。こうして二人は、共にアンハナケウを目指すこともなったのである。 【良い点(箇条書き)】 ・世界観がしっかりしており、方向性の分かりやすい物語である。 ・あらすじの感じからは朗らかなイメージを持ったが、明るいファンタジーというよりは、段々と謎が解明され、常に危機と隣り合わせというような”冒険もの”の色が濃い。ハラハラドキドキしつつも、次はどんな展開が待っているのだろうか? というワクワク感もあるのだ。 ・意外性が詰まっている。あらすじでは”古代人”というキーワードは出てくるものの、どんなモノなのかその時点では想像がつかない。(彼女の境遇が明かされると、納得するという意味合いである) ・人物の背景が濃く、深い。何故旅をしているのか、どんなものを抱えているのかは段々と明かされていくが、知れば知るほどに物語に深みが出てくる。 【備考(補足)】13話まで拝読 【見どころ】 戦闘シーンはあるものの、チートスキルなどで強いというわけでもなく、戦うことを目的としていないからこそ、面白味のある物語である。 旅の目的はそれぞれ異なるものの、目的地が合致し、互いを必要としている二人がアンハナケウという場所を目指して旅をする。初めは相性の決して良いとは言えない二人だが、あることをきっかけにして正式な同行者となるのだ。 この物語は目的地にたどり着くことがメインであり(それだけが目的ではないが)、必然的に戦闘というものが起きる。通常ならば旅に危険はつきものであっても、それは偶然に過ぎない世界なのではないだろうか? (これは想像でしかないが)  その為、彼らは”屈強な冒険者”というわけではなく、自らの意志により強くなろうとしていく。成長の物語でもあると思われる。 その上、二人とも裕福なお金持ちというわけではないので、路銀を稼ぐという場面も。優雅な旅行者ではなくバックパッカーのようなイメージの方が近い。ファンタジーでありながら、地に足のついた現実的な部分もあり、”旅”というものに対してのリアリティを持たせている作品だと感じた。 あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか?  彼らは無事、目的地にたどり着けるのだろうか?  そして目的を果たせるのだろうか?  その目で是非、確かめてみてくださいね。お奨めです。

5.0
  • 作品更新日:2020/8/5
  • 投稿日:2021/12/5
エブリスタ恋愛連載:9話完結

溶けそうなアイスクリーム

1 読む前の印象や予想など(表紙やあらすじなどから想像したこと) タイトルについて考えてみた。”溶けそうな”は暑さを表しているのだろうか?  それとも、溶けそうなくらいぼーっと魅入ってしまったのだろうか? 色んな意味に捉えることのできるタイトルだなと感じた。 今まで見たことのない女性が隣に居て、しかも窓が開いている。ロマンチックな展開を予想してしまう。 2 物語は(どのように始まっていくのか?) 主人公が恋に落ちるところから始まっていく。こんなシチュエーションがあったらロマンチックだなと感じるが、現実的な部分もあって面白いと感じる。 偶然に感じることも、実は必然であり運命であるなどという人もいるので、この主人公の母があえて部屋にエアコンを入れなかったことで、主人公は恋に落ちるきっかけを得たとも言えるだろう。さて、主人公の恋は叶うのだろうか? 3 良かったところ。印象に残ったところ。好きなセリフなど。 ・恋をすると少し離れているだけでもソワソワしてしまうものだと思う。片思いならば切なさもあるだろう。主人公の気持ちがとても伝わって来る。 ・相手のことがとても気になるのが”好き”という感情である。例えば饒舌になったり、顔色を窺ってしまったり、言動が気になってしまったり。過剰反応してしまうものだと思う。彼にもそういう行動が見られ、上手く行けばいいなと感じた。 4 作品の感想 後から彼女の事情について分かっていく。現実世界でも、誰かと結ばれるということは奇跡に近いものだと思う。互いの気持ちが同じである確率。ずっと思い合える確率。そしてその気持ちを伝えられるかどうか。 人の気持ちは簡単に変わってしまうものでもあるし、ずっと変わらない人もいるだろう。しかしそれでも平等なのは”恋愛”は一人でするものではないということ。相手の傷を受け止めるということは、簡単なことではない。その傷が深ければ深いほどに。どんなに想いを貫いても、一人ではどうにもならないこともある。それでも、主人公はきっと選び取るのだろう。 恋をして彼女を想う気持ちのとても伝わって来る作品であると感じた。 5 物語のその先を想像して 彼女の抱えているものを知り、主人公は決断する。しかしここからが本当のスタートなのではないだろうか? しかし彼ならば、乗り越えられると感じた。 あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? お奨めです。

5.0
  • 作品更新日:2021/4/18
  • 投稿日:2021/11/30
カクヨムその他短編完結

二粒の錠剤

1 読む前の印象や予想など(表紙やあらすじなどから想像したこと) 心中でもしてしまうのではないか? とタイトルから想像した。 このあらすじから何かを想像するのはとても難しい。 2 物語は(どのように始まっていくのか?) ある二人の少女についてから始まっていく。同じ名前で、呼び方の違う二人。今までずっと一緒に居たのに、変化が訪れる。そして二人が選んだ道とは? 3 良かったところ。印象に残ったところ。好きなセリフなど。 ・名前が似ているせいか、狂気のようなものを感じる。 ・好きの先というのは、依存なのだろうか? と思った。 ・名前に対しての呼び名が面白いなと感じた。(被っているのが一文字だけなので) ・何があったのか、明確には分からないが互いが互いを必要としていることが伝わって来る。 4 作品の感想 抽象的な所が多いので正直、分からない部分が多い。感想欄などを読むと他に人にはわかるように見受けられる。分かる範囲での感想となるが、愛とは狂気なのだろうか? と思った。何個かキーワードが出ており、主人公は”相手と離れる意味”にあるのではないかと思った。今まで何をするにも一緒であり、互いに好意を感じている。そしてあることをきっかけに相手に対し、自分に頼ることを提示する。 離れることで”相手が不幸にならないようにする”という心情はどういったものかだろうか。これは想像でしかないが、立場の逆転なのだろうかと思った。 今まで依存していたのが自分。このターニングポイントから逆転する。そういう意味なのだろうか? と。とすると、相手は自分から離れられなくなる。それを意図せず、してしまったということなのだろうか? 相手をダメにしてしまうというのは、どんな関係においてもあることだ。愛とは難しいものだなと感じた。 5 物語のその先を想像して 二人は望んだ形を手に入れたのではないだろうか? それはある意味ハッピーエンドだと言える。 あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? お奨めです。

5.0
  • 作品更新日:2021/1/7
  • 投稿日:2021/12/1
小説家になろうファンタジー連載:58話

天使が微睡む異世界で

【簡単なあらすじ】 ジャンル:ハイファンタジー ある日突然、異世界召喚された主人公。召喚者、召喚目的共に不明。異世界の街にポンッと捨てられたような状態だった。そんな彼が奴隷商である少女を引き取ったことをターニングポイントに、死のループに巻き込まれていく。そう、彼のチートスキルは『時間遡行』だったのである。知恵を働かせ、予測を立て、戦略を立てた上で協力者を導き出し、この死のループに立ち向かう主人公。果たしてその結末とは……? 【物語の始まりは】 廃城での少女による、意味深な言葉から始まっていく。本編に入ると主人公である少年の視点へと変わる。全く知らない場所で、呆然と立ち尽くす彼。一体彼の身に何が起きたというのだろうか? 【舞台や世界観、方向性】 ・主人公が飛ばされた場所は、奴隷制度がある世界。 ・明晰夢とは? 自分が夢を見ているのだと認識したり、コントロールできる状態を指す(web調べ) ・時間遡行とは? タイムトラベルのこと。 ・カタルシスとは? 心理学における、浄化および、排他のこと。(詳しくは辞書でどうぞ) ・主人公の能力は『時間遡行』のみ。身体能力は現実世界のまま。つまり頭脳、戦略で危機を乗り越えなければならない。シナリオ系のアドベンチャーゲームをしている感覚を味わうことができる。 【主人公と登場人物について】 主人公は現代より異世界に召喚された少年。 異世界に移る方法は大きく分けて三つだと思う。転生、転移、召喚である。彼が”異世界召喚”されたのではないか? と推測に至るまで少し間がある。というのも、”召喚”に良く見られる”召喚者”の姿が見受けられなかっためではないだろうか? その為、初めは明晰夢だと判断している。 それが”異世界召喚”されたのではないかと推測に至っても、それは限りなく正解に近い推測に留まっているのはやはり、決定打となる”召喚者”に遭遇してないからではないかと想像する。 この物語にはよく出てくる数人の少女がいるが、彼女たちの中には奴隷もいる。しかし主人公は現代社会からやってきた為、その風習(制度)に馴染むことはできない。良識的な人物。しかし、彼女たちにとっては当たり前の日常と化しているのか、主人公を変わった人と評価している印象。 【物語について】 部屋で寝ていたはずの主人公は、目が覚めたら全く別世界にいた。みたこともない街に途方に暮れるも、冷静な分析の結果どうやら”異世界召喚”されたのではないか? という結果に辿り着く。そして現在の状況を確認するも、ルームウエアのような恰好と所持品は圏外になっているスマホのみ。靴さえ履いていなかった。絶望的な彼に声をかけてくれたのはエルフの少女。彼は彼女人探しに、何とか同行することに成功する。 その後、奴隷商で廃棄されようとしていた兎耳の少女と出逢う。エルフの探し人は見つからなかったものの、途中で別れ宿で一夜を過ごし、最初の一日が終わるはずだった。しかし主人公たちは、寝込みを襲われ殺されしまう。ここで終わりかと思いきや次に目が覚めた時、数時間前に戻っていたのだ。自分を召喚したした人物が誰なのか分からず、召喚された理由もわからないまま、主人公は自分の行動で前回との変化が起きていることに気づく。これで死を回避できるかと思いきや、またもや殺されてしまうのであった。だが、またもや時間が戻っていた。自分のチート能力が”時間遡行”だと把握する主人公。彼はこの先どう行動していくのだろうか? 【良い点(箇条書き)】 ・ルートが変わるたびに少しづつ謎が解けていく。 ・主人公以外の視点からも物語が紡がれているので、深みを感じる。 ・それぞれの境遇が違い、複雑に絡み合っているのが面白い。 ・単にルートが変わると主人公の運命が変わるというわけではなく、互いが干渉し合い物語に変化をきたすというのが面白い。 ・頭脳戦。どうしたら攻略できるのか? 主人公が手探りではあるが、道を探そうと色々と思考している部分に面白味がある。 ・ただ生き残るのではなく主人公は、ある者を守ることも目的としている。 【備考(補足)】13話まで拝読 【見どころ】 この物語はざっくりと説明すると、”無事に生き残る”ルートを探すというものである。それは”死”のループから抜け出すということ。しかし、そう簡単に抜け出せるわけではない。そして死に方も生半可なものではなく、トラウマレベルのものである。主人公が必死になるのが頷ける物語。 物語は、主人公が異世界に召喚されたことから始まっていく。ただ、命を狙われているのは主人公ではない。巻き込まれて惨殺されるのだ。召喚された目的、召喚者は読了部分では不明ではあるが、ある人物と遭遇し共に行動することがターニングポイント。死が訪れると、数時間前まで時間が戻り、ループする。ここで面白いのは、経験したことにより相手への反応が変わること。自分のその時の選択により、変化が訪れること。ただし、変わらない部分も存在する。返答にとっては、相手の意外な部分を知ることもでき、思わず笑ってしまうエピソードも存在する。 そしてこの物語は、最初の死のループから抜け出せたといってもそこで終わりではない。正しいルートを自らの手で導き出し、先へ進まなければならないのだ。 あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか?  どんなラストが待ち受けているのか、その目で是非確かめて見てくださいね。 お奨めです。

5.0
  • 作品更新日:2022/1/14
  • 投稿日:2021/12/5
カクヨム恋愛連載:65話完結

白銀の狼

【簡単なあらすじ】 ジャンル:恋愛 人狼であるにも関わらず、村で唯一狼に変身することができない主人公は、狩りもすることができない落ちこぼれであった。その為、幼馴染みで想いを寄せる相手と結ばれることを諦めていた。しかし狼達の婚姻相手を決める「豊寿の祭り」の日に人間に捕えられてしまう。想い人が助けに来てくれたものの、彼も酷い怪我を負ってしまう。果たして二人は無事に逃げ帰ることができるのだろうか? 【物語の始まりは】 孤児院の厨房で、主人公が調理をしている場面から始まっていく。それは彼女の毎朝の仕事であり日課なのだろう。主人公にはどうやら好いた相手がいるらしく、朝の準備を整え彼に会いに行くのであった。 【舞台や世界観、方向性】 人間たちの会話から、人魚やエルフも存在する世界だと思われる。 強い子孫を残すことは義務(責務?)であり、種族を守ることに繋がる人狼たち。彼らには感情で好いた相手と番になることではなく、強い者同士が番になることを求められる。これは現代の日本の社会(他の国では分らないが)とは大きな違いと言える。より自然界に近い形だと感じた。 主人公レティリエ視点だけではなく、彼女の想い人でもあるグレイル視点からの場面もある。 【主人公と登場人物について】 あらすじから分かるように、主人公達は人狼である。人と狼の二つの姿を持つ種族ありながら、主人公の少女は、村で唯一狼の姿に変身することができない。とても健気で心優しく、幼い子供たちにも好かれている印象。 主人公の幼馴染みであり、想い人でもあるグレイルは村では一、二を争う程の実力者。しかし奢るわけではなく、彼女が悪口を言われていると怒りだすという思い遣りや優しさも持っている。(怒っているのは、それだけが理由ではないかもしれないが) 【物語について】 同じ孤児院で育った幼馴染みに恋をする主人公は毎朝、彼に朝ご飯を届けていた。狼に変身できない引け目があるのだろうか、とても控えめである。もうすぐ豊寿の祭り。若い狼達は冬の祭りに備えて番の相手を探す大事なお祭りでもあるようだ。 しかし、狼の姿に変身できず狩りもできない主人公にとっては、喜ばしいとは言えないのかもしれない。何故なら想い人はいるものの、自分がその相手と結ばれることはないと諦めているから。そしてこの日、彼女は人間に捕らえられてしまったのである。 一方、異変に気づいたのは彼女の幼馴染みであり想い人でもあるグレイル。主人公であるレティリエ視点からでは、何となくでしか分からなかったが、彼は彼女のことをよく観察しており、その性格も把握しているようだ。そんな彼は一早く異変に気づき、彼女の様子を見に行く(探しに)よう頼まれる。彼はレティリエを救い出すことができるのであろうか? 【良い点(箇条書き)】 ・主人公の成長の物語でもあると感じた。 ・人間に捕まるまでは、何をするにも自信が無いような印象であったが、捕らえられた後は、自分が何とかしなくてはという責任感と勇気を感じられる。 ・ターニングポイントの前後で主人公の変化がはっきりしており、緊迫感のある物語でもある。 ・人は自分次第で変われるのだという、希望を持たせてくれる。 ・主人公たちを応援したくなる作品である。 【備考(補足)】11話まで拝読 【見どころ】 この物語は、主人公が人間に捕らえられたことがターニングポイントとなるのではないだろうか? それまでは人狼の村で落ちこぼれだった主人公。変身も出来ず、狩りもできない彼女には貰い手がいないという予想がつく(種族の性質として)。それはすなわち種の繫栄すら出来ず仮に相手がいたとしても、産まれてくる子が自分同様であるならば、言葉の通り役立たずという結果になってしまう。しかしそれは、人狼の村(人狼の社会)を主体にした場合のこと。 もしそれが、別の場所であったなら? この物語は人狼の社会で落ちこぼれだった主人公が幸せを掴むまでの物語ではあるが、社会を反映している物語でもあると感じた。 例えるなら、Aという会社では能力が発揮できず万年平社員だった人物が、別の会社では頭角を現しトップまで上り詰める。つまり自分の力を発揮できる場所であれば、落ちこぼれではなく有能であるということ。もしかしたら主人公も、そんな風に変わっていくのではないかと想像させる物語である。 あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? 主人公がどんな風に幸せを掴んでいくのか、その目で是非確かめてみてくださいね。お奨めです。

5.0
  • 作品更新日:2021/10/21
  • 投稿日:2021/12/5
エブリスタヒューマンドラマ連載:5話完結非公開

旦那が好きすぎる私は今日も旦那のパンツを履く

1 読む前の印象や予想など(表紙やあらすじなどから想像したこと) 希死念慮とは? 死にたいと願うこと。 自殺願望と使い分けることもあり簡単に説明すると、理由があって自殺したい逃れたいと感じるものを自殺願望。漠然と死にたいと願うことを希死念慮というようだ。 この解説を読むと、自殺願望は持ったことがある。誰しも一度は失敗や嫌なことから逃れたいという気持ちから、軽い自殺願望を口にしたことがあるのではないだろうか? しかしそれには理由が存在し、解決すれば解き放たれることがあるだろう。だが希死念慮はこれとは違い、何の理由もなくとも死にたいと感じるのだ。恐らく理解はできても共感のし辛い気持ちだと感じた。生きたいと強く思えないからこそ、この気持ちが勝つのではないか? と想像する。 2 物語は(どのように始まっていくのか?) 主人公が死にたいと望む状態が語られていき、ターニングポイントが訪れた時のことが明かされていく。希死念慮に囚われた彼女を、真逆の生きたいという気持ちにさせたものとは? 3 良かったところ。印象に残ったところ。好きなセリフなど。 ・旦那さんも主人公も、弱いからこそ支え合える。 ・旦那さんの根気の良さが凄いなと思う。 ・主人公の心境の変化の描写が丁寧である。 ・互いが必要だからこそ、一緒に居るというのが伝わって来る。 ・主人公の一方的に支えられたくないという想いが印象的。 4 作品の感想 旦那さんの人柄がとても素晴らしいと感じた。ことあるごとに”死にたい”という人は、とても重い存在であり一緒に居ると気が滅入るものである。しかし彼はそんな彼女を受け止めて愛で包んであげられる人。でも彼は強いわけではないと感じた。 強い人というのは、他人を必要としない。結果、一方的に寄り掛かられて疲れてしまい、一人を選ぶのだと思う。しかし弱い者同士は支え合える。パートナーといつまでも仲良く一緒に居られる人と、何故か一人になってしまう人との違いはここにあるのではないかと感じた。 5 物語のその先を想像して 旦那さんと出逢い、結婚しパンツをはいていた頃までは”依存”という形だったのだと思う。しかし履かなくても大丈夫というのは、”支え合う”ということなのだと思った。恐らく二人はこの先も、互いを必要とし支え合って生きていくのだと想像する。 あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? お奨めです。

5.0
  • 作品更新日:2020/11/8
  • 投稿日:2021/12/1
アルファポリスミステリー短編

執着という名の犯罪

1 読む前の印象や予想など(表紙やあらすじなどから想像したこと) アナグラムとは? アナグラム(anagram)とは、言葉遊びの一つで、単語または文の中の文字をいくつか入れ替えることによって、全く別の意味にさせる遊びである。(web調べ) あらすじの一言がとても気になる物語である。アナグラムが使われているのが物語全体という可能性も考えられるからだ。さすがに長編ならばそんな大掛かりなことをするのは大変だが、こちらは短編のようなのでその可能性は否定できない。さて、どの部分にアナグラムが関係してくるのだろうか? 2 物語は(どのように始まっていくのか?) 事件に巻き込まれた、ある一人の男性の危機から始まっていく。助かりそうにない状況。奇跡は起こるのだろうか? それとも……。 3 良かったところ。印象に残ったところ。好きなセリフなど。 ・意識を保とうと何かを考えるくだりから事件の詳細について、という流れが良い。 ・いろいろと謎な部分が多いが、これは始まりに過ぎないと続きそうな物語である。 ・猟奇的な人物とはこういう人を言うのだなと、勉強になった。 ・好奇心の形はそれぞれであり、道を踏み外すと危ない人間になってしまうということがよくわかる。(危ない人が、二人も出てくる!) ・違和感に対しての表現の仕方が巧いなと感じた。 ・”いつもの”行動に対して、”恐怖”が重なると、人は自然と”いつも”を避けようとするもの。そういう部分がとても自然に描かれていて、素晴らしいと感じた。 4 作品の感想 構成が巧いなと感じた。短編ながら二つの事件が起きており、どちらも危ない人である。どんな手段で主人公の記憶が改変されたのかはわからないが、ここからが始まりなのでは? と思わせる物語である。 面白いなと感じたのは、事件のあと先に”ん?”と思うのが読者で、続いて主人公も”ん?”となっていく。真相を知っているのが読者で書き替えられたのが主人公なのだが、恐怖はリンクしているような気がする。 短編だからこそ、主人公はどうなってしまうんだ! というハラハラドキドキ感もある。そして犯人のヤバさがとても印象的であり、”みつからない”ことに対して納得のいくエピソードもあり、事件の全体像が分かるのも良いなと思った。これから長編として続いていきそうな、想像力を掻き立てる物語だなと感じた。 5 物語のその先を想像して 読者の脳内で、続きが始まっていくに違いない。主人公は果たして生き残れるのだろうか?! 続く……(続きません)。 あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? お奨めです。

5.0
  • 作品更新日:2021/5/11
  • 投稿日:2021/12/1