シュガーレス・レモネード

　恋愛に消極的な25歳・六藤 結衣（むとう ゆい）は、同僚に無理矢理連れていかれた合コンで男に絡まれている所を、中学時代の同級生・武藤 綾人（むとう あやと）に助けられる。 　同じムトウ同士の二人は、中学時代に『恋愛の練習』という名目で〝キス〟をするだけの関係を続けていた過去があり、十年ぶりの再会に結衣は戸惑いを覚えていた。 　彼が檸檬味の飴玉を噛み砕いたら、キスが始まる合図。 　合コンを抜け出した二人は流れで飲み直す事になったのだが、酒の勢いで檸檬の飴玉を噛んだ綾人から中学時代のように唇を重ねられた結衣は、記憶もないままホテルで彼と男女の一線を超えてしまい──。 　未完成な不良品のまま十年前に捨ててしまった〝檸檬色〟の感情をめぐる、甘いのにシュガーレスな大人の初恋。