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作:さーど

ほぼ存在しない俺を、学園の姫だけは見つける

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最終更新:2021/7/24

作品紹介

 主人公の江波戸蓮(えばとれん)は、''ほぼ存在しない''高校一年生。  影は絶望的に薄く、担任にさえ名前は覚えられていない……だから、''ほぼ存在しない''。  そんな蓮が、台風の影響で強風と大雨に襲われながら下校していた時の話だ。  その道中、蓮はこの土砂降りの雨の中で傘もささず佇んでいる身長がそこそこある女性を見かけた。  その女性の名は白河小夜(しらかわさよ)。  蓮の通う学校では[学園の姫]と呼ばれ、文武両道、容姿端麗、品行方正が揃ったハーフの少女だ。  実はマンションで小夜と部屋が隣な蓮だが、影が薄いのもあり小夜には興味がなかった。  しかし、さすがにこのまま無視して下校するのは目覚めが悪い。  そう思った蓮は、幸い雨具を来ていたため持っていた傘を小夜の手に押し付け走った。  ……まあどうせほぼ存在しない自分は気づかれちゃいないだろうし、今後姫と関わることも無いだろう。  その時、蓮はそう思っていたのだが…… 「昨日貸していた傘を、返しにお伺いしたのですけど……」  次の日、散歩から帰った蓮の部屋の前で、昨日蓮が押し付けた傘を持った小夜が立っていた。  ──なんと、小夜は何故か''ほぼ存在しない''蓮のことが普通に認識できる人物だったのだ。  つまり昨日蓮が傘を押し付けていたのをしっかりと覚えており、今蓮の目の前にたっている。  それに驚く蓮、その蓮の顔色を見る小夜。  蓮の顔色を見て、小夜は蓮が風邪をひいているのだと認識し、返しに看病すると言ってきた。  そう、蓮は昨日雨に濡れたにも関わらずろくに体を温めなかったため無自覚にも風邪をひいていた。  そして風邪をひいていると自覚した蓮は、小夜の看病するという提案を拒んだ。  とある事情の上、蓮は今の日常を壊したくはなかったのだ。  しかし、小夜は諦めずに理屈を並べ強引に蓮を説得を試みた。  あまりのしつこさに頬を引き攣らせる蓮だが、次の交流はどうせないと思いたって小夜の好きにさせることにした。  今後、予想外に小夜との交流が増えていくのも知らずに……  これは、''影が絶望的に薄い蓮''と''その蓮を唯一見つけることができる小夜''が少しずつ近づく、恋の物語である。 ※総合10000P突破!!

R15日常青春ラブコメスクールラブ

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