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作:齋藤 一明

鬼灯の雅(ほおずき の まさ)

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最終更新:2014/8/27

作品紹介

一鍬ごとに鍬が根元までサクッと入る。表層の固さとは大違いだ。どのあたりから柔らかくなったのか、きっと雅が最初に掘ったあたりからではなかろうか。でなければ、徳治や為吉の掘る速さが異常であった。二十歳をすぎて間もない雅でさえ腰の深さまで掘るのに汗みずくになったというのに、少し道を手入れする僅かの間に徳治は胸まで掘ってしまった。為吉にいたっては、雅が草刈りをする間に背丈を遥かに越えるまで掘り進んでいる。別に体格が優れているわけでもなく、力が強いわけでもないのにである。 『ぼちぼちだな……』 五寸、五寸と二度掘った雅は、さらに鍬が吸い込まれることに嫌な予感を感じている。 鬼灯は、枯れてなお中に実を留めることから、牢獄を意味し、その形から人魂を連想させる……

R15残酷な描写あり時代劇失われる記憶土葬

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