無能と悪名高い聖女ですが、婚約者に殺されかけたらチート公爵家の兄弟に溺愛されはじめました！？

「い、……今ここで、君を殺す」 「それで僕は、君との婚約を破棄してフィオナと婚姻を結ぶ……！」 『無能聖女』と悪名高いアシュリーは、そう異母妹との結婚を宣言する婚約者に杖を向けられた。 アシュリーはれっきとした聖女だが、聖女のみが扱える浄化魔法をひとつも使えない落ちこぼれ。 後妻の義母には殴られた上に髪まで蹴られ、異母妹には悪事を全て押し付けられる散々な日々だった。 それでも妹は可愛くて、妹の幸せのためなら！　とどんなことにも耐えてきた7年。 その頑張りも虚しく、婚約者の手によって殺されようとしている中でアシュリーは命からがら逃げ出した。 そんな彼女を拾ったのは、公爵家の当主である兄とその弟で……。 「大丈夫。――俺たちがアシュリーを守るから」 「……お前はもううちの人間だろ。実家のことなんざ忘れろ」 今まで愛されることのなかったアシュリーは2人に溺愛される――と、思いきや。　過保護すぎる兄や超絶俺様気質な弟にツッコミを入れまくるのに必死でそれどころじゃありません！ 加えて〝知られざる聖女の力〟を発揮したことで学院でも注目され、気付けば義母と異母妹による陰謀が渦巻く家には破滅の足音が近付いている。そんなお話。