高原署に神留まり坐す
最終更新:2024/3/19
作品紹介
年2回神社で行われる“大祓”に行ったことはあるかな。祝詞冒頭に『高天原に神留まり坐す』――簡単に訳すと“天界には最高神がおりますよ”という意味のフレーズがあるのだが、高天原ならぬ高原署刑事課、そこに我々ありと謳われているのが俺たちだ。 「日本全国竿姉妹計画の成就と24時間に57人というギネス記録の打破、そのために俺は今日も女性を救う」 「そんなことより鍛えた方がよろしい。女はえすとろげんとかいうモノでしか胸を大きくできねえが、男は鍛練でどうとでもなるんですぜ」 「ほう、いいこと言うじゃないか」 「そうとも、デカさのみ求める野郎は所詮二流よ。老いれば垂れて悲惨になるように、先を見れず餓鬼に阿呆な名付けをする莫迦親と一緒だぜ」 「いいや違うな、それこそ掌からたわわにハミ出す感触のように柔軟に考えろ。飽きたらすぐ次でいいんだよ」 今しょうもない連中だと思ったかな。だが何を隠そう我々こそが、この国の平和を人知れず守る秘密組織にして汚れ仕事も引き受ける暗部というヤツなのだ。フィクションじゃないんだぜ。 君たちの平穏な暮らしの影には実は知らないところでたくさんの血が流れていたりする。感謝しろとは言わんが光あるところ闇もあるという言葉を忘れちゃいけないぞ。まあ太陽に対する月みたいな扱いは俺自身も腹立つけどな。 もし危険に晒されてしまうことがあればいつでも呼んでくれ。御利益目当てに神社へお参りするよう気軽にな。この俺読山月世と弟の佐能素男の最強コンビがいつでもどこでも駆けつけるさ。 ところで神様といえば、誰もが知っている伝承にも実は暗黒に葬られた真実があったりする。特にとある連中はその結末――死が描かれていない。もしかしたらこの現代のどこかでヒトに紛れこっそり暮らしてたりするのかもな。まったく関係のない話だが。 「というわけで建(タケ)! “あの野郎”の潜伏場所がわかったぞ。島根に戻ってきてるようだぜ」 「ようし。あの時獲り損ねた蛇の首、しかと頂戴しに行きましょうや」 現代の島根県で繰り広げられるは拳銃撃ちまくりに暴れまくり、やりたい放題のトンデモ捜査! そしてやがて明らかとなる古代のヤマタノオロチ退治伝承の真実、忘却の彼方に隠された神話の歴史とは!? 時代錯誤陳腐上等、笑いあり涙あり! ハードボイルドスプラッタ異能力もあり! 何でもありの本格アクション!
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