顔ですか?そんなもの乗っていれば問題ありません。問題なのはカラダです!
最終更新:2023/5/14
作品紹介
生まれたときから体躯の良い男性を好む伯爵令嬢フルール。夜泣きをすれば男性が抱き上げるまで泣き続け父親を寝不足にし、来客にせがむ抱っこは決まって体躯の良い者に狙いを定める。出先でもそれは変わらず母親を悩ませ、顔の良し悪しなどお構いなしに、とにかく殿方の体一直線。それが年頃になっても治らず、いや、さらに悪化して、照りつける暑さの中、立っていられない程の強風の中、一日も欠かさずに騎士団の演習場へ通い存分に己の心を満たす。 「俺、あの眼鏡が不気味なんですけど……」 「ああ、あれな……」 「むふふふ」 「お嬢様、その緩んだお顔をすぐに戻して下さい」 「あらやだ失礼」 「男性には無闇矢鱈に触れてはいけません」「どうして?」「淑女たるもの触れていいのは家族と婚約者、場合によりその家族までです。誰彼触れていては貞操観念を疑われ兼ねません。貞操観念は習いましたよね」「まあ、それは大変な事になるわね」「そうです。お嬢様の嫁ぎ先がなくなってしまいます」 「では理由があればいいのね」 その姿が不気味と言われようとも、どれほど諭されてもブレることはない。 一方、美貌のご尊顔と崇められるほど顔が良すぎる公爵家の次男リリック。女性を惑わし、しまいには同じ男からも熱い視線を向けられるようになると、身の危険を感じがむしゃらに鍛え上げた。その結果、騎士団の団長にまで上り詰めてしまった。そこでも常に注目の的で令嬢からの視線に常に晒されている。 そんな日常の中でリリックは思わぬアクシデントを拾ってしまう。そしてそれが思わぬ形でフルールに結び付く。さらには婚約話まで。 顔度外視の伯爵令嬢と、顔を重視されたくない麗しの公爵令息の物語。 ⚠設定ゆるゆる注意報発令中
評価・レビュー
まだレビューはありません。