警察犬訓練士のわたしは、異世界でも銀狼様のお世話係に任命されました――三食昼寝とおやつ、それからもふもふと溺愛もついてきます。

女・有坂倫、娼館行きを阻止するためなら、男を演じてみせましょう―― 倫は警察犬の訓練士としてはまだまだ駆け出しの22歳。 担当しているジャーマン・シェパードのルドルフは、稀に見る優れた能力を持った超絶ハイスペック犬なのに、何故か倫の言うことしか聞かない変わった子。 この日も通り魔の足跡を速やかに追及し、事件の早期解決に貢献した。 倫にたくさん褒められたルドルフは、それはそれはご機嫌な様子。 翌日、倫がいつものように犬舎を掃除していると、強い光に包まれてしまい――気がつけば、見知らぬ場所にいた。 明らかに日本ではない場所、日本人ではない人々……もしかして、異世界に来ちゃった！？ その場にいた兵士に取り押さえられそうになった倫を助けたのは、毛並みが美しく大きな大きな銀狼だった。 その狼はなんとルドルフで。 聞けばこの召喚は、神獣であるルドルフを呼ぶために行われたらしく、つまり倫はただのオマケで巻き込まれ……？ 「異世界人であれば、稀者として娼館でも高値がついたでしょうになぁ」――そんな言葉を耳にしてしまった倫は、売られてたまるかと、少年に間違われたことをいいことに、男として過ごすことにした。 毎日ルドルフのもふもふに癒やされつつ、美貌とツンデレの王太子・レオンハルトに惹かれていく倫だが、オマケで巻き込まれの自分は、本当にここにいていいのだろうか、でも日本に帰れるのだろうかと、あれやこれや悩む日々を送ることになって―― 担当の警察犬と一緒に異世界に召喚されちゃったハンドラー女子のもふもふと恋のお話です。 ※この作品は「カクヨム」「アルファポリス」にも掲載しています。