救星の魔法考古学者

「この星は、一万年後に滅亡する」 預言者「アストラの少女」によって滅びを預言された紅い星・エカルラート。 星のマナは枯れ、天候や季節さえも失いながら衰退を続けるこの星で、それでもなお抗い続ける人々がいた。 星、魔法、遺跡。古代人が残した技術と知恵と駆使して、彼ら「アストルム教団」は星を救うために研究を続けていた。 カンナ・ヴェレンツもまた、その一人。 ぶっきらぼうだがお人好しなカンナは、貴重な魔法考古学者として教団内外から様々な依頼を受けながら研究する日々を送っていた。 ある日依頼で訪れた遺跡で、カンナは一人の少女と出会う。 記憶も無く魔法も知らない少女は、初めて親を見た雛鳥のようにカンナに懐き着いて回る。 なんだかんだ言いながらも面倒を見続けるカンナと、口数が少ないものの感情は豊かなエンジュ、流行りのものが大好きなカンナの妹イリス。 三人は古代の叡智と神秘に振り回されながら、星を救うために西へ東へ奔走する。