どこでも眠るのをどうにかしてと言われても、精霊王の仕業だから私にはどうしようもない。
最終更新:2021/7/7
作品紹介
私の中にはこの世界ではない『世界』の記憶がある。この世界では発達していない科学や医学という知識。魔法が発展しているこの世界ではその考え方自体がない。土が瘦せたなら魔法を使えばいい。水がなければ魔法を使えばいい。身体が悪いならば魔法を使えばいい。 この世界はそんな場所だった。 そして、男を目の前にして真っ先に思ったのは『眠れる森の美女』か?だった。 金髪に赤い瞳。普通の男よりは体格に恵まれているらしく、普通の女性よりは背の高い私でも大きいと思った。まあ服を脱いだら筋肉凄いんだろうな、なんてボヤっと思った。まあ、それを顔に出すことはない。 「私にどんな御用ですか?ロラン・ゾル・サングロウ王太子殿下?」 ニコリと笑う私に彼は苦笑いをした。正体を隠すつもりで彼は来たのだろう。残念ながら私の持つ能力により彼の身分はすぐに分かってしまったようだが。 「……すぐに分かるとは流石は高名な魔女殿だね。」 私はエイダの街に住まう魔女。高名な魔女と言われているが、それは生まれ持っていた『違う世界の知識』と、生まれ持っていた『鑑定眼』これのおかげで、私の魔女としての地位は確立されていった。 そして男の様子を『鑑定眼』で見れば、最初の言葉に戻る。 『眠れる森の美女』か? 正確には眠れる森の美人だな、と思いながら美丈夫な男を見て笑った。 前作では評価・コメントありがとうございました! とても励みになりました! そして童話改変シリーズの第四弾で、最期の話になります。 7/12追記 誤字報告ありがとうございます。 相変わらずの誤字脱字のひどさに泣きそうな気がしつつ、指摘はありがたや~と拝んでおります
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