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作:入峰いと

甘い言葉をひとしずく

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最終更新:2017/10/23

作品紹介

その小さな王国では、王城の侍女は有力な商人の子女が勤める習わしがあった。リネン商の娘、ジュベータは、父の再婚の後、13歳で実家から王城に体よく追い出された。それから8年、父も既に亡く、人付き合いの苦手なジュベータは婚期を逃しかけている。 ある日彼女は中年の独身上司に言い寄られ、困惑していた。通りがかった軍人が彼女を叱る振りで逃してくれたものの、ジュベータは自分の無力さに落ち込む。その後仕事で再会した軍人は、彼女をときには叱咤し、ときには食べ物をくれて、無骨な親切を示す。それは彼女か世間知らずで頼りないからで、決して甘い気持ちから来るものではない、二人とも、そう思っていた。 やがてジュベータの侍女としての契約は切れ、王城から去る日がきた。彼との縁もまた切れる。ジュベータは運河と山に挟まれた王都の片隅で一人で生きようとするが…… 貴族を支えて働く平民男女のささやかな恋模様。

R15日常ヒストリカル平民女子平民男子

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