ラスボス系義兄様は推しに弱い
最終更新:2019/10/6
作品紹介
「今日もスフォリア嬢が可愛くて尊い」 光竜を先祖に持つ、ドラクロワ伯爵家の時期当主である我が義兄、シュトロム=ドラクロワは、麗しいかんばせを悩ましげに歪めて熱っぽく溜息を吐く。口にする言葉が残念なのは主に私の所為なのだが、これには深い訳が――ない。ないのである。 だってまさか、初対面で異世界からの転生者だと看破されるなんて思わないじゃん? 私の記憶から語彙を拾って学習されるとは思わないじゃん? 義兄様が史上最悪の邪竜の生まれ変わりとか! 私の記憶の影響で推しに必死なオタクじみた言動を始めるとか! 予想出来る訳ないだろ、いい加減にしろ! 「推しが かわいくて しんどい」 「わ か る」 故に、私に出来ることと言えば――ラスボス系義兄様とその推し・スフォリア=ブランシュ嬢の仲を全面的に応援することくらいなのであった。
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