オークちゃんといっしょ！VRMMOの有名配信者パーティから戦力外通告されたヒーラー専門プレイヤーですが、楽しく冒険やってます

「ごめん、イヨちゃん。……パーティを抜けて欲しい」チャンネル登録者数100万人のゲーム配信者「クサナギ」のパーティ『ヴァンガード』で3年間に渡り回復役（ヒーラー）として彼と彼を支えてきた「イヨ」を、唐突な戦力外通告が襲った。理由は、パーティ内でただ1人配信をしていなかったから。ゲームの宣伝を企業から依頼されていたクサナギにとって、知名度の低いイヨは不要な存在になりつつあったのだ。 新作のフルダイブVRMMO『セカンドエデン』のアーリーアクセス直前で独りぼっちになってしまったイヨは落胆するも、「ソロだからこそまったり出来る」とログインする。そしてログイン早々、雷と共に現れた不思議な存在によって「メイトリアーク」というクラスを強引に選ばされてしまった。 まん丸の護衛NPC「オーク」を率いるヒーラー、メイトリアークはプレイヤー3人分以上の戦力を持つ強力なクラスで、調整不足であることは誰の目にも明らかだったが、正式サービス前の混乱をも楽しむことにしたイヨはあえてキャラクターを作り直さなかった。 セカンドエデン内のアーリーアクセス開始イベントに、ヴァンガードが登場する。彼らを率いるクサナギは新たなヒーラーとして、アイドルの「ユウナ」を紹介する。そして集まったプレイヤーの前で、「イヨは勝手にヴァンガードを離脱した」と嘘をつき、ユウナとの入れ替えを正当化した。これに怒ったイヨは計略を巡らせ、ゲーム内イベント「対ドレッドウルフ戦」でヴァンガードを壊滅させた上に、偶然もあいまってボス討伐の称号まで先取りしてしまう。 一躍有名になり、嫌われ者にもなったイヨだが、そんな彼女にアイドルのユウナが押しかけ、ヒーラーとしての教えを求めた。困惑するイヨだったが、彼女は自身のヒーラーとしての経験と、ユウナのこれまでのゲーム歴をもとに新たなプレイスタイルを提案する。結果ユウナは「近接攻撃型ヒーラー」として、イヨの予想を遥かに上回る成果を出した。 イヨは自分の役目が終わったことを悟り、ユウナとの接触を断つ。そしてセカンドエデンが正式サービスを迎えたその日、再びゲーム内イベント「対ドレッドウルフ戦」が発生した。イヨは宿屋でそのイベントを観戦し、ユウナがヒーラーとして活躍する様を見届けた後、まったりソロの旅を再開することを決めたのだったが……