小間使いは落とし物係ではございません(改訂版)
最終更新:2020/3/11
作品紹介
改訂版です。 多くの歳月を人とともに重ねた物や道具には魂が宿ることがあります。 この世界では、それを“精霊憑き”と言います。 幼い頃に森で拾われた女の子は、カリンと名づけられ、田舎の村で育てられました。 黒髪に黒い瞳。不思議な肌の色。低い鼻。この国では珍しい容姿のカリンは、人を相手にするのが苦手です。 村のいじめっ子たちから逃げ回るうちに、知らず知らずに魔力感知の能力を鍛え上げてしまい、お陰で“物の気持ち”までわかるようになってしまったカリン。 魔法学院に入学するはずだったのに、手違いで、小間使いに就職することになってしまいました。 「良かった。お城の小間使いなら洗濯物や掃除道具が相手。あまり人に顔を見られずに済むわ」 カリンは知りませんでした。お城にはいくつもの“精霊憑き”たちがいることを⎯⎯。そして、物にまつわる厄介事が彼女を待ち受けていることを⎯⎯。
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