闇に溺れた天使にキスを。
最終更新:2021/10/31
作品紹介
いつも自分の席で本を読んでいる彼。 その姿は絵になるほど。 染めたことのないであろう黒髪に メガネをかけ、制服もきちんと着こなしている。 どうみても真面目な彼は 誰もが目を惹くほどに綺麗でかっこいい。 ただひとつ 耳たぶにつけてあるピアスだけが─── 彼の危険さを表していた。 だから誰も、気づくはずがない。 「これは、秘密だよ」 彼の鎖骨の下から胸元にかけて入れてある和彫りになんて、誰も。 「全部、君が初めて。 こんなにも俺をかき乱すのも」 驚くほど優しい彼が ゆっくりと私の心を溶かしていく。 甘くとろける、誰にも言えない秘密の放課後。 「関わったからにはもう 逃げられると思わないでね」 メガネを外すと危険な彼が、私を誘う。 これは深い闇への誘い。 その選択に、“拒否”という言葉はない。 白野 未央(しろの みお) ××× 神田 拓哉(かんだ たくや) 「俺から離れない限り、命の危険はないよ」 闇に手を伸ばし、飛び込めば もう戻れない場所が、そこにはあった─── 「君は俺を狂わせるのが好きなんだね」
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