六花立花巫女日記 外伝
最終更新:2022/8/26
作品紹介
この世界唯一の英雄譚を知らない者は居ない。 その英雄譚はとある少女の日記を元に書かれているけれど、もう一人の少女の日記も添えられている。 彼女は誰よりも慈愛に溢れ、真っ直ぐ前を見据え、決して折れる事がありませんでした。 優しく国民に接し、大切に想い、常に見守り続けていた彼女。 敵を前にすれば、誰もが驚く程の魔法と能力を振るい、守るための意志を杖に込め、ただひたすらに未来を照らし続けたのです。 その姿はまさに、『巫女』なのでした。 私は、私だけは知っています。添えられているのは一部でしかなく、日記には彼女の本音が全て込められていたから。 彼女はたった一つの想いを胸に宿していました。 彼女の赤い瞳は常に輝き、白銀の髪は静謐と清楚を表現するかのようでした。 どんな苦難に出遭おうとも、どんなにもどかしい想いを抱こうとも、共に在り続けた彼女。 他の誰よりも、この世界を愛している彼女。 誰もが彼女を英雄、巫女、天使と持て囃します。 でも……彼女は、本当は……―――。 この物語は彼女の出会いの話。 彼女が見詰め直した世界、接した人、歩いた道。 彼女と共に歩んだ私は今日も一ページ、日記をめくる。
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