ゆきふる
最終更新:2015/9/27
作品紹介
他の雪粒たちが恐れを知らず、次々と雪雲を飛び出す中、ユキは降り落ちた先の不安ばかりを考えて、ぐずぐずと雪雲から離れられずにいた。しかし、春も間近なある日、うっかり雪雲から足を滑らせて地上へ落っこちた彼女は、大雪に埋もれた山道を独り行く彫刻師の青年レミと出会う。レミが、病に伏せる妹のソラに薬を届けるため、急ぎの旅路にあることを知ったユキは、雪だるまになって青年の代わりに薬を届けることを提案する。ユキの申し出を受けたレミは、彼女のために妹の姿を象った雪像を彫って与える。こうして雪の女の子になったユキは薬を預かると、吹雪になって瞬く間に山道を駆け下り、ソラが入院する診療所へ薬を届ける。薬を飲んだソラは元気を取り戻し、未だ雪山にいる兄へ歌を届けるようユキに願う。ユキはソラの願いを聞き届け、レミの元へ急ぐが、彼は力尽き、降り積もる雪の中に埋もれてしまっていた。
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