組織を追放された重力魔道士、希望を抱いて転生する。〜現代で生きる気力を無くした俺は二度目の人生を平和に生きたい〜
最終更新:2021/10/28
作品紹介
この国にはかつて、奈落の魔法使いと呼ばれ、恐れられた1人の魔導師がいた。 彼の名はアトラ=フィーネス。若くにしてこの世を去った最強の魔導師。 その力は個人でありながら軍の一部隊を遥かに超えており敵対する者には絶望を与えていたと言う。 アトラの力を持ってして戦争に勝利し続けた組織はいつしか異種間戦争に巻き込まれ、迫る魔族の驚異を他種族の協力を得て何とか勝利する。 そして、この戦争での活躍でアトラは英雄として後世に語り継がれることとなる。 平和の訪れた世界。しかし、その平和が彼に与えられることは無かった。 「おい、何の冗談だよ……」 「単純な話だ。お前の力は世界を脅かす驚異になりかねない。お前は強すぎるんだよ、アトラ」 組織の隊長、バルトラはその強大すぎる力を恐れ、彼の魔法を封じ、組織から追放した。 この世界で生きる気力を無くした彼は、基地から逃げた後、未来の世界へと希望を託し、全魔力を振り絞った最後の魔術を発動した。 それから500年後 魔導歴1271年 彼の魔導師は、遥か先の未来で再び目を覚ます。 その姿を赤ん坊へと変えて。 (ん……ここはどこだ? 知らない天井、知らない家具、転生魔法は成功したのか?) 「オギャー!」 (オギャー? ……って! 赤ん坊になってる!?) アトラの死に際に発動した転生魔法。その名の通り未来へと転生をするための魔法はアトラの予想していたものとは多少ズレた結果となった。 「ん……? おい、母さん! グレイが泣きだしたぞ!」 「あらあら、お腹すいちゃったのかしら?」 (俺の予想ではもっと成長してかは記憶を思い出すと思ってたんだけど……) 「オギャー!」 (よし、一旦落ち着けアトラ=フィーネス。いや、現代ではグレイだったか。とにかく今はこれからどうするかを考えないとな) そんなこんなで史上最強の魔導師、アトラ=フィーネス改めグレイ=ラインハルトの第二の人生が幕を開けた。 (とりあえず、もう二度と前世のような間違いは犯さない。二度目の人生はなるべく目立たず生きていこう!) 「オギャー!」 これは、前世で最強の名を欲しいままにした一人の魔導師が、遥か未来へ転生し、新たな世界で前世のような殺伐とした日常とは別の道を歩もうとする人生の物語。その何気ない一ページにすぎない。
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