階段都市クルケアン
最終更新:2022/12/12
作品紹介
完結済み作品(改稿中) 全ての生き物は獣として生れ落ちる。ならばなぜ人は獣と道を分かったのか。 ある神官は獣を人に成さしめるものは名だという。すなわち名を忘れれば獣となり、名を思い出せば人となる。そして万人が受ける祝福こそが名づけなのだと。我が子に愛情を込めて呼びかけ続け、それを子が覚えている限り人は獣にはならないのだと……。 「生まれてきてありがとう、セト」 四百年以上前に建設された、雲よりも高くそびえたつ階段都市クルケアン。魔獣の被害が増えているものの、神殿や騎士団によってその平和は保たれていた。最下層に住むセトは幼い頃からクルケアンの頂上を目指しては失敗していた。頂上に行かなければならない、そんな気がするんだ、と幼馴染のエルシャに語る。そしてセトは思う、クルケアンの階段は神が降りるためのものなのか、それとも人が神に会いに行くためのものなのかと。 また、兄代わりのバルアダンは神殿の監視を受けるセトを守るべく騎士団で軍功を上げ、順調に出世をしていった。神官のはみ出し者であるダレトと共に階段都市の闇を探り、彼らが軍を率いるようになったとき、神殿と魔獣の関係、そして捻じれた歴史の真実を手にすることとなる。 大階段を登り天に至った者だけが望む世界を手に入れることができると知った時、人はクルケアンの内乱を戦争にまで昇華させていく。今は亡き愛する人との再会を求めて、または家族の幸せを求めて……。 チュニジアの死者の都をモチーフにした歴史冒険小説。
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