俺と先輩はつきあっていない
最終更新:2020/4/10
作品紹介
【ファミ通文庫大賞中間選考通過しました。ありがとうございます】 生徒会で庶務をしている俺には、仲の良い女の先輩がいる。 生徒会長を務めている、神楽坂先輩だ。 仕事もでき、皆への気配りもでき、おまけに美人。 尊敬できる先輩なのだが、少し困ったところがある。 「おはよう、後輩。さあ、朝のハグをしよう。頬にキスだってしてもいいぞ?」 「なんで他の女とお昼に行こうとするんだ? 君には私がいるだろう?」 「今夜、君の家に泊まりにいっていい?」 ことあるごとに俺とベタベタしてくるのだ。 他の生徒会メンバーは、そんな俺たちを見て、『お前ら早く結婚しろ』と言ってくる。 「先輩、俺たち別に付き合ってないですよね?」 「ああ、付き合っていないな」 俺と先輩……確かに仲はいいように見えるかもしれないが、俺たちは『もう』恋人関係という、そんな甘酸っぱい関係はない。 だって、おれはもう神楽坂先輩に振られている。だから俺と先輩は付き合っていない。 それに俺には別に好きな人もいる。風紀委員長の正宗先輩だ。ちょうど神楽坂先輩に振られたころに立ち直らせてくれたことをきっかけに好意を抱くようになったのだ。 前の失敗を踏まえ、より慎重に正宗先輩と接していく俺だが、正宗先輩とイイ感じになる度、神楽坂先輩がやたらと俺にくっついてくる。やたら対抗心に燃えているのはなぜだろう。同級生で同じ生徒会メンバーの橋村との仲も、なぜか急接近してきたし。 勉強会という名の、俺の妹へのご挨拶、文化祭の準備、演劇の合宿を経て、少しずつ仲が深まっていると確信した俺は、ついに意を決して正宗先輩に告白するが、あえなく撃沈。 さらに、傷心の癒えない俺に、同級生の橋村が『付きあおう』告白してきた。 俺の青春、いったいどうなるのだろう。
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