表通りのエメラルドの森の小さな甘い家。
最終更新:2020/8/8
作品紹介
看板短編企画参加作品。 「今日も頑張らなくちゃね、お兄ちゃんが元に戻るようにね」 私は台所から出る。ここはおとぎの国。そして外に出る。振り向けば誰も来ない廃れてしまった、私の大切なの家。エメラルドの木漏れ日がきらきら、側に立つレバノン杉にはウネウネと太い蔦が絡まり、甘い香りの薄紫色の房が、幾つも下がっているの。 「天地満ちる精霊達。あちらとこちらを繋ぎなさい」 呪文を唱える。幹に浮かび上がる入り口。異世界に繋がる扉をギイィと開けた。
評価・レビュー
まだレビューはありません。