【短編】結婚して下さい! 二百年後に。 イケメンエルフから婚約指輪を渡されたけど、そん時はもう死んどるわ!
最終更新:2021/3/1
作品紹介
「クリスタリア、僕と結婚して下さい! 二百年後に……」 お坊ちゃま、クリスタリア大変、大変、嬉しゅうございます。ですけどね、私、そのときは死んでるんデスよぉぉぉ!! 申し遅れましたね、私、エルフの領主の子息ヨウキ・フレメア様に家庭教師兼、メイドとして仕えることになったクリスタリア・アデルと申します。貧乏貴族の四女として、生まれ今日も楽しくお仕事をしております。 貧乏でしたが幸い、比較的マシな学力があったようで家庭教師兼任メイドとして、フレメア家に拾って頂いた訳にございます。 人のお年なら十五歳くらいかな? ヨウキ様から大変、気に入って頂いたのですが最近、特にその傾向が強いように感じておりました。ヨウキ様は早くに母であるアルファ様を亡くされて、母恋しさゆえに婚期的に適齢を過ぎた私を慕ってくれているものばかりだと思っておりました。 しかし、それはどうも違い、男女の恋慕と言うものだったようです…… ヨウキ様はややあどけなさは残るものの、見目麗しく白く美しい肌とホワイトブロンドの髪、サファイアのような蒼い目をされております。ええ、エルフらしく、耳もピンと立っていらっしゃいますよ。 わ、私の容姿? ザ・地味メイドですね……黒髪でブラウンの瞳、目鼻立ちはどうでしょう? 不細工とまでは言われませんが綺麗とも言われませんので普通なのでしょう。 「どうかな、クリスタリア? これを是非、受け取って、欲しいんだ……」 黄金色に輝く台座にヨウキ様の瞳のように蒼く光る宝石……家ではとても買えそうにないようなもの。 小箱から大事そうに指輪をだされたヨウキ様。どう考えてもそれは婚約指輪ですよね…… ここは婚約というヨウキ様とって、大事なことを一時の迷いで決めて頂く訳には参りませんので兼任メイドとして、はっきり申し上げました! 「ヨ、ヨウキ様、お気持ちは嬉しいのですが私はメイドです。それに人族としては婚期を逃しており、決してお買い得物件などてはございません。お考えをお改め下さいませ」 「クリスタリアは私よりも百二十年は若いです。年齢は気にしなくて良いのでは?」 うう、この純粋無垢な蒼い目で見つめられますと、わ、私、ときめいちゃいそう……断りづらくなっちゃいますぅ。
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