断罪されし聖女は龍の王のつがいとなり。
最終更新:2021/10/7
作品紹介
「おまえの罪を数える!」 大臣ギリアム・デイソンがそう声を張り上げた。 公爵令嬢セリーヌ・フォン・ヴァインシュタインは今まさに断罪されようとしていた。 三日前にギリアム・デイソンによっておこされたクーデターによってセリーヌの兄は殺され王も家族も幽閉された。 聖女でもあったセリーヌは、民衆の目を逸らすための見せしめ、生贄となって断罪されようとしていたのだった。 もう誰もがこのままセリーヌは海に飲み込まれるのだろう。そう思ったその時。 それまで雲一つ無かった空に、灰色の雲が急激に広がり、辺りが強烈な風にみまわれた。 そして。 嵐は唐突に現れた。 雨が激しく地面を打ちつけ、人々から視界を奪う。 薄闇の夕暮れがあっという間に紫色になり、そして。 その紫に光る雲の間に龍が現れた。 「助けに来たよ。セリーヌ」 その龍の王は、そう優しく云った。 それは、セリーヌにとっては幼い時の約束。 それが果たされた瞬間だった。 ※自作『三度目の転生は猫でした』のバックボーン、マシンメアという物語の冒頭を改変改稿し短編の物語に仕上げました。 お楽しみいただけると幸いです。 10/8 20:20 大幅に改稿加筆しました。
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