冒険者ギルド9625
最終更新:2021/4/12
作品紹介
アルメア王国屈指の冒険者ギルド「ギルド9625」。通称「黒猫」。 このギルドに所属するためにやってきた銀髪の少女ラステル。彼女は、アルメア王国へ亡命してきた元伯爵令嬢だった。 ――護られるのではなく、誰かを護ることができる人になりたい。 そんな思いから、ラステルは冒険者を目指していた。そして彼女は、憧れの冒険者ギルド「ギルド9625」の採用試験に挑む。 ギルドの採用試験で彼女に与えられた課題は、三種類の魔物討伐すること。マイステルシュタットという街の近郊に広がる「蒼の森」で、ゴブリン、ホーンラビット、アルメアボアを討伐し、魔石を持ち帰るというものだった。 さらに、ギルドのマスコット、黒猫シャノワを帯同させるよう指示される。 滞在先のマイステルシュタットで、ラステルが出会った遊女スピカ。彼女は、神剣「天叢雲」を持つ剣聖級の剣豪だった。彼女との出会いが、ラステルを成長させていく。 ラステルはスピカの力を借りて、剣術道場で剣の稽古やクロスボウの稽古を重ね、腕を磨き、討伐課題の準備を整えていった。 いよいよ、ラステルは討伐課題に挑戦する。 しかし「蒼の森」は、無情にもラステルに最後の試練を与えた。 それは彼女が目を背けてきた自らの過去。 ラステルは、かつて「蒼の森」で多数のゴブリンに襲われ、心に深い傷を負っていた。 ゴブリンを前にして甦る記憶。 恐怖に心を支配され、身体が動かなくなった。 なんとかゴブリンを討伐するも、肉体的にも精神的にも激しく消耗してしまったラステル。 そんなとき、彼女の前に現れたスピカ。 ラステルは、魔物に襲われたときの体験をスピカに話した。自らの過去に向き合うように。 ――怖かったね。でも、もう、そのときのあなたじゃないよ。 スピカの言葉に勇気づけられたラステルは、いよいよ最終課題に挑む。 結果、ついに与えられた討伐課題を達成する。 討伐課題を達成し、ラステルが王都へ戻る日。 ラステルは別れを惜しみつつ、スピカを始め、マイステルシュタットで出会った人たちと再会を約束する。 そして「ギルド9625」へ戻ったラステルに、さらなる衝撃の事実が告げられた。 悲しい過去と恐怖体験を乗り越えて、「なりたい自分」への第一歩を踏み出した少女の物語。
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