狙撃地点のラティさん
最終更新:2020/12/26
作品紹介
「非日常で日常の話をする。実に背徳的と思わないか?」 僕、千里光希(せんり みつき)は狙撃手のサポートをする観測手という立場にある。 昔から目が良くて、自分が目立つよりも誰かの助けになる方が好きな僕にはピッタリの立場。 今回組む相手は誰かと待っていると、やってきたのは綺麗な銀髪と青い瞳のお姉さんな外国人。 彼女はラティとだけ名乗り、無言で僕と狙撃任務の地へ赴いた。 ラティさんはずっと独りで任務を行っていた、寡黙で凄腕の狙撃手らしい。 そんな彼女と組んでの狙撃任務は、なかなか標的が姿を見せない長丁場なものになりそうだった。 「ラティさん。貴女の弾を、奴への冥土の土産にしてやりましょうね」 そんな時、僕のなんてことのないその一言が、全てを変えてしまう。 「なぁミツキ、教えてくれ! それはどんな意味だ? やはり日本語は面白いな!」 ――僕の中のラティさんが壊れた気がした。 狙撃任務は標的が現れない限り、とても暇だ。 かくして僕は、寡黙と思っていたスナイパーのお姉さんと、狙撃地点で日々どうでもいいことを語らうのだった……。
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