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彼女は、暗殺者としての過去を抱いて咲くスズランのよう。

5.0
2

 元暗殺者の女性が、領主という身分の人間と結婚するという、通常あり得なさそうな設定。しかしそれは、奇をてらったものではなく…!


 まず彼女が暗殺者としての過去をもっている事が自然。そういう社会情勢だったという納得の理由があり、彼女が結婚するまでの流れも全く違和感がなく。


 暗殺者であることがバレてはいけないという緊張感、秘密を抱える後ろ暗さ、それが作りだす切ない空気。領主である結婚相手のユタカが、領民に愛される素晴らしい人であるだけに。


 でもそんなユタカは、命を狙われている状況。

 隠すべき暗殺者時代の知識、経験、技術を駆使し、主人公サザは彼を守っていく。もしサザにこの過去によって得た力がなければ、ユタカは命を落としていたのではという場面もあり、彼女の過去が現在の彼を救うこのバランスが絶妙で、暗殺者であることがバレてはいけないハラハラを感じつつ、領主の妻としての仕事をこなし、周囲に愛されていく彼女を応援せずにはいられません。


 見目愛らしく、その体に毒を持つスズラン。暗殺者である彼女の過去は、まさにその秘められた毒といった感じでしょうか。でもその毒は、彼を守るそのためだけに使うと決意する彼女。愛らしくも凛々しいその姿はスズランのようと言って差し支えないと思いました。


 実際にこの国が存在するように思える世界の作りこみに、気付けば没入しているという素晴らしい作品です。

 展開にも緩急があり、飽きません。完結しているので一気読みもおすすめ!

MACK

登録:2021/7/25 17:26

更新:2021/7/25 17:26

こちらはMACKさんが読んだ当時の個人の感想です。詳細な事実については対象作品をご確認ください。

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5.0
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