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心の檻に囚われても、彼女は戦う。傍らの愛の支えと共に

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 白銀の狼の続編として書かれた本作。「狼」と「人」の姿を切り替える事が出来る能力のある「人狼」でありながら、彼女だけが「狼」になる事が出来ない。人狼の村にあってそのマイナス要素はレティをずっと苦しめ、恋心も秘めるしかありませんでした。


 前作の敵は「人間」で、主人公レティの類まれな色の珍しさと美しさが原因となって、愛玩動物として物理的な檻に囚われる事になりましたが、その見た目の魅力が武器にもなり、機転と勇気で戦う事ができたのですが……。


 しかし今作の敵は「人狼」という同じ種族。「狼」としての強さが必要で、それは狼になれないレティには全くないもの。彼女は非力で弱い「人」の能力だけで彼らと対峙する事に。


 浮彫になる「狼」としての弱さ。それが自信を奪い、やがて彼女を後ろ向きな心の檻に閉じ込めていきます。


 襲われた村のために、彼女はいかにしてその心の檻から脱出するのか。

 傍らにあるグレイルの愛に支えられ、レティはレティらしく戦って行く。

 繊細な心理描写と、彼女の苦しみは共感できる事も多く、誰もが彼女を応援せずにはいられなくなるかと。


 姿形ではなく、人として、狼としての本質に向き合い続けるレティの戦いを、ぜひ一作目から追いかけて欲しいです。

MACK

登録:2021/7/27 04:48

更新:2021/7/27 04:48

こちらはMACKさんが読んだ当時の個人の感想です。詳細な事実については対象作品をご確認ください。

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