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@オノログ

コーヒーと恋愛は熱いときが最高である

5.0
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 「コーヒーと恋愛は熱いときが最高である」これはドイツのことわざであったでしょうか。この物語のコーヒーは、熱いです。


 ただし、薄い。


 まずいコーヒーでも、全くコーヒーがないよりは良いと、どこかの映画監督も言ってたけども。


 甘酸っぱい少年の青春の1ページに刻まれる、苦味たっぷりの出来事。準備室は彼の避難場所であったけど、場所そのものが少年を救っていたのではなく、実際に匿って癒していたのはそこの主である一人の教師。


 コーヒーを小道具としてうまく扱っている物語で、何故コーヒーが薄かったのか、その理由に複雑な心情が絡んでいます。

 大人と少年、男と男、教師と生徒という三重の壁がありながら、気さくで軽妙なやり取りで、なんとなく不思議な関係を培う二人。


 濃い(普通の)コーヒーが出されるその時は、新たな関係に変わるとき。


 幼馴染の少女を含め、三者三様の想いと考えが交錯し、ひとつの出来事に対し、それぞれの視点側でも描かれているので、全員の立場の気持ちがわかります。性別をあえて意識せずに、それぞれの立場とその行動の結果がどうなるか、という読み方をするのも良いかもです。


 読後感が良く、軽快な筆致でさくさく読めるおすすめの一作。

MACK

登録:2021/8/7 15:56

更新:2021/8/7 15:55

こちらはMACKさんが読んだ当時の個人の感想です。詳細な事実については対象作品をご確認ください。

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