負の感情を増長させ、他者に危害をもたらしてしまう魔法を使えるようになった「魔法師」と呼ばれる十代の少年少女が、殺し合いや犯罪に巻き込まれていくダークファンタジー。迫力と疾走感に満ちた戦闘シーンや、サスペンス要素が含まれた展開など、見所も良さも多くある作品ですが、特筆すべき点は主人公とヒロインの関係性だと思います。
重い秘密を一人で抱え、危うい思考を持つヒロインの姫愛と、そんな彼女を守る主人公のノラ……なのですが、二人の関係には暗く複雑な背景が潜んでいます。そんな彼らが見せてくれる信頼関係や、互いを思い合う気持ちには、一言では言い表せない良さがありました。
作中で展開される不穏で危険な事件の行方、ノラと姫愛の過去やこれからと、続きも非常に気になる作品です。
また、こちらには前日譚となるお話もあります。少ない話数の中で、作者さんの筆致や展開の仕方、登場人物のカッコよさに魅了されてしまう作品なので、そちらから読むのもおすすめ。もちろん、先に本編を読んで最新話に追いついてからでも楽しめると思います。
両作とも、ぜひご一読ください!
登録:2021/8/14 10:54
更新:2021/8/14 10:54