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少女の願望に応えた白き魔性が、美しく冷酷に舞う

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隠れ里の長の娘、星子は家族と離れ、魔性のものとして封じられた白鞘の刀に舞を捧げる日々を送っていた。しかし静穏な日々と家族は、突如としてやってきた敵によって奪われる。星子は復讐を誓い――そんな彼女に、封じられていた魔性が取り引きを持ちかけて、展開が動き出します。


星子の体に宿り、白星と名乗る魔性は、星子が望んだ復讐の準備を整えながら旅をする。魔性と言うだけあって、敵対したものには容赦をしない白星ですが、道中で出会った獣たちと仲良くなったり、星子が得意とする舞を舞ったり、金銭感覚が乏しいせいで問題を起こしかけたりなど、可愛らしさを感じる面も持ち合わせています。


和の雰囲気に満ちた硬派な文章で紡がれる、白星と星子の旅と、復讐の行く末。恐ろしさも美しさも紙一重で持ち合わせた、一等星のような輝きを放つ魔性の活躍を、ぜひ目に焼き付けてください。

葉霜雁景

登録:2021/8/15 12:34

更新:2021/8/15 12:34

こちらは葉霜雁景さんが読んだ当時の個人の感想です。詳細な事実については対象作品をご確認ください。

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葉霜雁景