二つの国が血で血を洗う戦いを繰り広げた帝共戦争。その中で、帝国人から犯された現地女性から生まれた主人公、ユリンは、村の人々を虐殺した敵の子として虐げられる日々を送っていた。
彼女は、自身の穢れた血を洗うため、顔も名前も知らない父を探し出して、殺すことを決意するのですが──。
『戦争の悲惨さ』
『いじめ』
『国家間の賠償問題』
本作のテーマは非常に重いのですが、真向勝負で表現しています。
物語がたどる結末は、復讐の成功か、失敗か。いずれにしても、主人公には罪人となる未来しかありません。
ですが、憎しみの連鎖が生み出したどん底の中に、一筋の光が差し込むのです。
そこから訪れる展開に胸を打たれ、久々にウェブ小説で温かい涙を流すことができました。
人間が本来持っているはずの「優しさ」が、重いテーマの中垣間見えるヒューマンドラマ。
結末はぜひあなたの目で、確認してください。
登録:2021/10/8 22:49
更新:2021/10/8 22:49