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@オノログ

思い出の味を出す居酒屋とそこに集う人々の物語。心が揺らいで動く。

5.0
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 短編だったものをオムニバス的に再構成した作品。そのため一話ごとに読み切り感覚で楽しむ事ができますし、二代目店主に関わる物語が大きな話の筋として流れていくため、この本筋を追えばしっかり1本の長編を読んだ満足感。


 飯テロ要素も満載です。


 おばけ居酒屋と噂されるのはその見た目からだろうけど、実際に幽霊や妖怪たちも集まっている、とある町の小さなオンボロ居酒屋が舞台。


 妖怪たちの力のみなもとは、人の感情の起伏のエネルギー。哀しみや喜びのほか、驚いたり怖がったりすることも糧になる様子。居酒屋には人の悲喜こもごもが集うから、妖たちもそれに惹かれているのかと思いきや、ここに来る彼らの目当ては、美味しいおでんとお客が欲する【思い出の味】。

 思い出になるぐらいだから、本来ならもう食べられないはずのそれ。


 この思い出の味にまつわるエピソードとそれにまつわる人々、そして店の常連たちの物語が絡みあい、複雑で沁みる話になっています。


 美味しさだけではない感動に、心を揺さぶられてみませんか。

MACK

登録:2022/1/7 19:42

更新:2022/1/7 19:42

こちらはMACKさんが読んだ当時の個人の感想です。詳細な事実については対象作品をご確認ください。

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