現実と非現実の境界線上に佇む赤い女の謎を追え
ホラー開いちゃったかと思うぐらい赤い服の女が出てきたときは描写にびびりました。恐い……恐いよ……。
思わず確認。うん、SFだよね……大丈夫だよね……。
しかし、ぞくぞくして、しかも予想より赤い服の女の存在感が強くて(笑)、えええどういうこと!? どうなるの!? おわおわおわ……と展開から目を離せず、一気に読んでしまいました。
お話としてはコンパクトにまとめられていて、とても読みやすかったです。
けれど、世界観はもっと大きな物語の一部なんだな、というのが分かりまして、広がりも感じさせる、そんな作者様のバランス感覚の良さが活きています。
バランスといえば、現実感と非現実感も高次元でまざりあっていて、心地よく騙される……いえ、小説世界に没入することができました。
ややホラー風味なリアルSF、そんな世界への入り口になってくれる小説です。