普通の女子高生でありたい主人公がミラーワールドへ吸い込まれ、戦いに巻き込まれてゆく物語。
戯曲のように始まる零話、そして日常へ。
主人公の外見は幾分「普通」から外れている。だからこそ普通にこだわるのでしょうか。過去に何かが彼女の身に起こってそうなったのか、生まれつきなのか、この時点では判断出来ません。教室での親友とのやり取りは、場を和ませながらも主人公の「普通」へのこだわりが強調されています。
部活動の描写により主人公は弓の名手であることがわかり、身体能力の高さを期待出来ます。このあと巻き込まれてゆくミラーワールドで、きっと役立つのではないでしょうか。
場面転換の際に出てきた謎の「僕」なる人物と主人公の関係性も非常に気になります。
現実世界からミラーワールドへ移り、いきなりピンチになる主人公の前に現れた青い髪の人物。どうやらこの世界では現実世界とは外見が違っているようですね。誰が誰やら把握出来ない状況、なかなかに面白いです。
時折出てくる魔術言語による戦いは、緊迫感はあるものの生々しさが薄い為に、すんなりと読み進めることが出来ます。言葉のチョイスが絶妙ですね。ゲーム世界へ取り込まれたような感覚に陥ります。そして実際これは殺し合いのゲームのようです。
幕間まで拝読させていただきましたが、管理者や天使、膨大な時間の経過、繰り返される世界など、壮大なスケールの世界観が味わえます。今後どう展開していくのか、非常に興味深い作品です。
登録:2022/6/12 14:00
更新:2022/7/17 01:29