まず主人公の女性アズリアがとても魅力的です。褐色の肌に赤髪という容姿に、男顔負けの強さ。主人公が魅力的だと、それだけで物語が華やかになります。
タイトルに『忌み子』とあり、暗い過去を持ち合わせていそうですが、さっぱりと気持ちの良い性格であり、考え方もシンプル。健康的な美を思わせる肌はしかし、この世界ではあまり良いものでもないようで。何故彼女は一人で旅を続けているのでしょうか。
どのような世界なのかが違和感なく語られており、作品の世界観に自然と入ってゆけました。文体に独特のリズムがあり、一文を簡潔にまとめている為か、とても読みやすい印象を受けます。
行きがかり上魔物退治を引き受けることになった主人公が、重量感溢れる武器を駆使し、たった一人で魔物たちに立ち向かっていく様は躍動感に溢れて安心感があります。やがて明かされる主人公の強さの秘密……わくわくしますね。
こちらの作品、拝読した時点の全体の文字数が200万字超となっており、大作です。冒頭のおおよそ1万字程度を読ませていただいた感想になってしまいますが、これからの主人公の活躍が大いに期待出来る、読み応えのある作品です。
登録:2022/8/13 16:06
更新:2022/8/13 16:32