ユーザー登録・ログイン

新規登録

ログイン

作品

レビュー

登録/ログイン

その他

オノログについてFAQ利用規約プライバシーポリシー問い合わせユーザー管理者Twitter
レビューを投稿
書籍化
コミカライズ原作
ジャンル別
サイト別
サイト関連
運営している人

@オノログ

小惑星を受け取った少女が出会う、不思議な事件と淡い恋。

5.0
0

 資産家の祖母の遺言で小惑星のひとつの相続人として指名された紫陽(しはる)。

 幼い時からそばにいてくれた優秀な秘書の安藤と共に、その小惑星へ管理人を見極めるために訪れたことから、驚きの事件に巻き込まれて——?


 知的でクールでどこか謎めいた安藤、対照的に一見よれよれで粗野に見えて、いざと言うときは頼りになるし、意外と絆されやすく(最高に格好いい!)優しいツバメ。そしてどことなく感情の読めない紫陽自身や彼女の家族の秘密。

 やわらかい紫陽の語り口は穏やかなのに、次々と起こる事件と謎に、一体この先どうなるのだろうと気になって最後まで一気に読み切ってしまいました。


 それぞれが驚くような過去を抱えていて、それでもなんだかみんな優しく温かい——。

 個人的には紫陽さんのツバメに向ける仄かな恋心と戸惑うツバメさんに思い切り悶えてしまいました……! できれば彼らのその後が見てみたいなあと思わずにはいられません。


 びっくりする仕掛けと魅力的な登場人物たちが織りなす物語。

 おすすめです!

橘 紀里

登録:2021/7/13 09:19

更新:2021/7/23 17:15

こちらは橘 紀里さんが読んだ当時の個人の感想です。詳細な事実については対象作品をご確認ください。

同じレビュアーの他レビュー!!

マリオネットインテグレーター

もつれた運命の糸に絡めとられる人々と、抗う少年とそれを見守る魔術師と

 水晶木という精霊の宿る木が選ぶ女王が統べる国ラザフォード。  その国で、三人の幼馴染の少年少女がとある秘密の場所で小さな黒いかけらを見つけるところから物語が始まります。  女王に一目惚れし、彼女に近づきたい一心で宰相にまで上り詰めた男。  次代の女王選定の儀式で、思わぬ運命に巻き込まれるかつての幼馴染の三人の男女。  父を知らず、母をも亡くした上に、突然精霊の導きによって騎士に任命された少年。  それぞれが見えない糸に操られるように、思わぬ運命に巻き込まれていきます。  精霊の言葉によって安寧を得てきた国で、人々はどのように生きていくべきなのか。国を治めるということは、あるいは、人を愛するということとは。 登場人物たちが投げかけるさまざまな問いは、読んでいるこちらにも深く突き刺さります。  個人的には、ひどく身勝手に見えたヴィットリオもまた、そもそもの初めから運命の糸に絡め取られ、けれど抗い続けてきたにもかかわらず、彼が選び取った運命を思うと、何ともやりきれない気がしてしまいました。  少しずつみんながすれ違ってしまっていったそれぞれの想いが、「あれ」の意思によるものなのか、あるいはいずれにしても避け得ない運命だったのか……。  とはいえ、自身もまた運命に翻弄されながらもまっすぐに立ち向かっていくカートと、彼を見守り、時には共に戦うピア、そして、何とも鼻持ちならない意地悪な少年だったアーノルドがふとしたきっかけで変わり、成長していったことで、たとえ困難が降りかかるとしても、自ら考え、行動を起こせば未来を切り開くことができる——そんな風に希望を感じることができた気がします。  丁寧に織り上げられた世界観と、複雑に絡み合った人の想いと、少年たちのまっすぐな意志と強さ。じっくりと読んで、ぜひ、この世界に浸って欲しい一作です。

5.0
0
橘 紀里