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Episode219

Page479

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女王の化粧師

ファンタジー且つ確かな面白さの人間ドラマにして大河ドラマ。恋愛も有るよ!

 物語は主人公が化粧の腕を買われ、貴族の青年に請われて花街を出て、女王候補の少女に仕えるところから始まります。  最初の舞台は没落から逃れようと足掻く貴族の館、一国内の話です。その中での人間関係や女王選出戦で出会う人々との関わりを通して主人公たちは成長していきます。その結果、主人公たちが得たもの、そして主人公の手からすり抜けて行ってしまったものは……は、本編を読んでお確かめいただくとして。  けれど、序幕の最後、主人公たちが勝ち得たものの背後には、大陸全土に吹き荒れる動乱の嵐がすぐそこまで迫っています。ここからが本当の始まりです。一幕から舞台は多くの国々を巻き込んだ大きなものへと移っていきます。それとともに、魅力的な登場人物たちも当然ながら増えていきます。  読み始めたが最後引き込まれ、泣き、笑い、怒り、迷い……気付けば登場人物たちとともに激動の時代に翻弄される楽しさ。その合間に挟まれる、世界の美しさ、登場人物たちに感じ始める愛おしさ。  単純な成り上がり物語ではありません。主人公を始めとする登場人物たちは皆、人間的な弱さから間違ったり、迷ったり、互いの育ってきた環境から来る齟齬や曲げられない信念のぶつかり合いと自身の感情の間で苦しんだりもします。その過程で傷ついたり命を落としたりする者も出てきます。  そういった、美しいだけでも甘いだけでもないシビアな物語ではありますが、恋愛的なときめくシーンも、一癖も二癖もある人物たちによる自国の生き残りを背に負った政治的駆け引きシーンも、緊迫感迫力とも素晴らしく手に汗握る戦闘シーンも、是非全編通してお読みいただき、たっぷりと浸っていただきたい作品です。

5.0
1
wakagi

アリス・イン・ザ・金閣炎上

ウィットにとんだ文章で、思春期のリアルに引きずり込まれる

一人称の台詞回しが、文学的、且つ、エッジィなウィットに富んでいて、暴力的なまでに文章に引きずり込まれてしまいます。 語彙ひとつ、引用ひとつとっても、尖ったおかしさに溢れていて、それが矢継ぎ早にどんどん出てくるので、のめり込む以外に選択肢がありません。 ごく個人的な感覚ですが、ナウシカの引用はすごかったです……。 その、書き手の方の知識の広さ故のユーモアには、どんどん、どんどん「少女」と「女性あるいは男性」の途上にある語り手の内包する生々しいリアルが滲み出してきて、そこにある凄味に圧倒されます。 特に、序盤で何気なく語られた上京する以前のことが回収される場面では、強烈に感じ入るものがありました。 思春期の少女たちの世界は、生々しく、耽美的な危うさに充ちています。 そしてその中に縛り付けられるような閉塞感が、読み手側にまで感じられるくらいに身に迫る文章で描かれて、まったく自分とは違う語り手の焦燥が、けれど肌に感じられました。 そして、終盤の「炎上」のシーン。 笑いがこみあげてくると共に、そこには気持ちのいい解放感、カタルシスが溢れていて、まさに物語の終幕にふさわしいなと思えます。 突飛な行動にも関わらず、それを気持ちよく、楽しく、そしてリアルに感じてしまうのは、そこまでで語り手の内面にのめり込んでしまったが故でしょう。 ラストの一文まで気も利いています。 たいへん面白く、楽しく、同時に皮膚にジリジリとしたものを感じられて、読んで良かったと思える作品でした。

5.0
1
ぞーいー

適当女は性悪姫を笑わせたい

上辺を整えることばかりの高校生活の中、唯一、素の自分でいられた相手

周囲にあまり興味を抱かない語り手。 けれど、高校生の頃、一人の女子生徒に関心を持ち、自ら声をかけるようになります。 彼女は、ある理由によって周りから避けられていました。 語り手の言葉には、この感覚分かる、と思える箇所が非常に多く、この年頃の女子の感性、周りとの関係性がとても良く表現されていたように思います。 興味が無い、けれど多少は興味があるように振舞っておかないといけない。 多かれ少なかれ集団生活の中で感じ得る倦怠感と打算的な人との関わり方がリアルで、だからこそ、そういう張り詰め方から解放される「黒姫」との間にある気楽さがよく分かります。 個人的な感想ですが、私自身がそういう「面倒くささ」を常に感じてしまう質なので、語り手の感じ方には非常に共感しました。 二人の間の、ベタベタしてはいないのに唯一無二である繋がり。 そこへ、面倒くさい周りの人間の面倒くさい目が注がれてしまう面倒くさい展開。 語り手の嫌気がよく伝わってきました。 見どころは、やはり最終話でしょう。 シンプルなメッセージには、けれど飾り立てられた言葉どれよりも真摯な思いが込められていて、語り手の心へまっすぐ届いたことが分かります。 届いたそれを打ち返すような返事も、また、ずっと言いたくて言いたくて仕方がなかった思いだったのだろうなと感じられます。 衒ったところのない、外連もない、言葉のやり取りは、上辺だけでの付き合いが溢れている環境の中で、とても気持ち良く響きました。 作品を読んでから改めてタイトルを見ると、なんというか、本当に笑わせたいんだな、と思えて、それもまた味わい深いものでした。

5.0
0
ぞーいー

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