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君に会いたい

遠距離恋愛だから気づくこともある。大切な人を想う物語。

★どんなことをテーマにした作品なのか? リアルな遠距離恋愛を描いた短編集。 【遠距離恋愛とは?】 恋人同士の居住地の物理的距離が離れた状態での恋愛関係をいう。どの程度の距離が「遠距離」にあたるかという具体的な定義は存在しない。(Wikipedia調べ)日本では、12月21日を「遠距離恋愛の日」としている。 ボッサードの法則というのがあり、男女間の物理的な距離が近いほど心理的な距離は狭まる時うものであり、物理的な距離が遠いほど結婚に至る可能性は低くなるらしい。この物語では、会いたくても会えない切なさを描いた作品なのだろうと想像する。 【どんな物語なのか?】 旅が好きだと言って彼が、一年前にここではない何処かに行ってしまい主人公は彼のことを思い出していた。写真やメッセージや彼の好きだった歌などを聴きながら。主人公は彼とは恋人同士であり、ある約束を信じ彼を待っているようだ。春から始まっていくようだが、果たして彼とどんなラストを迎えるのだろうか? 【好きな所や印象に残ったところなど】 ・主人公が今の関係が変わらないものであるのか? 相手の気持ちが変わらないものであるのか不安に感じているところ。遠距離恋愛の続くタイプと続かないタイプは、信頼関係ではなくマメな連絡なのだろうなと感じる。マメな連絡があるからこそ、安心していられるのだろう。 ・募っていく想いに切なさを感じる。脳に男女の差はないとは言うが、やはり男女では考え方が違うのだろうか? 単に性格の違いなのだろうか。あたらめて恋愛について考えさせられる。 ・離れていると、いろんな出来事を見て思い出してしまうというのが切ないし、共感が持てる。 ・季節ごとに紡がれていくエピソード。まるで気持ちが雪のように積もっているように感じた。 *9話完結 【全体の見どころ】 7000強ほどの短編集。一年前に旅に出てしまった恋人に会いたい気持ちを募らせていく主人公の物語。自分も遠距離恋愛をしたことはあるので気持ちが分かる。何かを見た時にふと思い出が過る。あの時こうだったなと。 遠距離恋愛は確かに切ない。しかし相手のことを想う時間は増えるとも思う。一緒に居るうちは何ということもない毎日だが、離れてみるといかに一緒に居られることが幸せなのか気づくことができる。 この物語では、主人公がいろんなものを見たりして、彼のことを思い出していく。彼との時間は宝物の時間に違いない。 あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? 普段何気なく一緒に居る相手との時間がどれだけ幸せなのか、改めて気づかされる物語だと思います。是非読まれてみてくださいね。おススメです。

5.0
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crazy's7

寧々(ねぇね)と豊川稲荷のあやかし事情

ある事件に巻き込まれたことにより、転職を余儀なくされた主人公が出逢いった天職

【簡単なあらすじ】 ジャンル:あやかしもの ある事件に巻き込まれ、濡れ衣を着せられた主人公は住むところも職も失ってしまい、切羽詰まっていた。そんな彼女の目に飛び込んできたのは、ある住み込みの社員募集の記事であった。詳しいことが書いておらず、怪しさを感じながらも面接に行くが……。そこで待ち受けていたのはあやかしの店主だったのである。果たして彼女の運命は? 【物語の始まりは】 童話のような始まり方の物語。主人公の日常がどんなものなのか、分かる場面から始まっていく。一話に入ると、彼女が何故この場所に来たのか経緯が語られていく。主人公はどうやらある事件に巻き込まれ無職になったことから、求人を見てここに面接へとやって来たらしい。ホームレス状態の彼女にとって、この住み込みの仕事は吉と出るのか、凶と出るのか⁈ 【舞台や世界観、方向性】 あやかしのいる世界 とても不思議な感じのする物語であり、舞台について詳しく説明するのは難しいが、豊川稲荷に住まう白狐たちと伏見稲荷の狐たちの違いや、あやかしたちについての知識など描かれている為、とても勉強になるなと感じた。 【主人公と登場人物について】 主人公は呉服屋で働いていたが、ある事件の濡れ衣を着せられたことがきっかけでこの地にやって来たらしい。通常なら落ち込んで何も手につかないだろう状況ではあるが、どうやら切羽詰まっていたようである。 職についての詳しい記載はないものの、内容と住み込みということに惹かれたようだ。切羽詰まっていたとはいえ、とても前向きな女性であると感じた。 その後あやかしたちと接する中で、段々と性格ななどもわかって来る。 【物語について】 主人公は自分のバッグにつけていた、和の小物が縁となって採用されることとなる。そしてここでは不思議な体験もするのである。しかしそれは、彼女には”見える”というだけである様だ。面接のあと、彼女は更に人間では体験できないようなことに遭遇するのである。 その後、彼女はあるあやかしによって、呪いをかけられてしまう。恋をすることで解ける呪いらしいが、そんなに簡単に恋は出来るものではない。この時点ではどんな呪いに書けられているのかもわからず、様子を見るために”ココロ堂”に泊まらないかという提案を受けるのだ。 その部屋で次に目覚めた後、あるあやかしと遭遇する。この場面から、ココロ堂がどんなところなのか? 何故主人公がこの店に採用されたのかなどが明かされていくのである。 【良い点(箇条書き)】 ・オリジナリティを持たせた作品である。 ・和がふんだんに出てくる。初めは現代らしさもあるが、段々と不思議な世界観に取り込まれていく。 ・主人公がとても個性的である。 ・憂いの部分が多いが、コミカルさもある。 ・童話調(ですます調)で描かれている為、昔話のような雰囲気も持つ。 ・登場人物それぞれにドラマを感じる。(背景がある) ・和らしさを表現している。 【備考(補足)】13ページまで拝読 【見どころ】 確かに主人公は”玉藻寧々”という人間の女性なのだが、あやかしたちの”人生”(?)にスポットのあたっている作品だと感じた。何故主人公がこの店に採用されたのか? この店が誰に為に存在し、なんのためにあるのか? それらが明かされていくと、この物語の中のあやかしがどんなものなのかわかって来る。”あやかしたちが抱える心の底の傷に触れていく”と、あらすじにもある通り彼らは心に傷を抱えているのだ。その傷はそれぞれ。 人と同じように何かに傷つき、それを言えないものも、もちろんいるだろう。彼女はこの先どのようにして、彼らを癒していくのだろうか?  そこが一番の見どころだと感じる。あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? 彼女が彼らの心に触れ、どんな風に変わっていくのか? その目で是非確かめてみてくださいね。お奨めです。

5.0
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crazy's7

天使は金の瞳で毒を盛る

果たして二人の恋の行きつく先とは?!

【簡単なあらすじ】 ジャンル:恋愛 お嬢様でありながら、さえないOLの主人公。誕生日は普段は忙しい父とのデートが恒例であった。しかし今回の誕生日にはいつもとは違い、父が婚約者を連れてきたのである。しかもその相手とは9年前に嫌な別れ方をしてしまった、元世話係の男性で?! 【物語の始まりは】 主人公が起こされるところから始まっていく。女性の部屋に勝手に入る元世話係の男。主人公が不満を漏らすも、父の許しを得ているようでその不満は解消されることはなかった。本編に入ると、ことの経緯が語られていく。何か理由があって逢いたくなかったようだが、彼とは同じ職場で働くことに。 【舞台や世界観、方向性】 おそらく現代 九年後に再会した二人が恋愛関係に発展していくのだと思われる。 【主人公と登場人物について】 主人公にとって誕生日は特別な日。普段は忙しくてゆっくり話すこともできない父とのデートの日である。しかし今回の誕生日に待ち受けていたのは悪夢であった。どんな別れたをしたのか序盤では明かされてはいないが、どうやら主人公にとっては逢いたくない相手だったようである。 主人公は社長令嬢でありながら、地味で普通の女性のようだ。それはコンプレックスでもあるようで、父から幾度か素敵な人を紹介して貰ったもののフラれてしまうらしい。その為、現在は恋人もいないよう。 どんな理由からかは序盤ではわからないが、彼に対し主人公の方が気持ちをストレートに表わすことができず、両片思いのような関係である。 【物語について】 主人公は何らかの理由があり、彼に対し素直な感情を向けられない状況のようだが、彼は直属の上司となる。自分とは関わらないでほしいという彼女の言葉通り、彼は職場で初対面のフリをし必要以上に関わって来ることもなかった。彼は見目も良く優秀なためか、あっという間に個人情報が知れ渡ることに。そこで主人公は、自分との違いを更に思い知らされることとなるのだ。 そんなある日、事件が起こってしまう。自分も関与はしていたものの、仕事で重大なミスが発覚するのである。それを助けてくれたのが、上司である彼だった。この辺りから、主人公の心理に素直な気持ちも見て取れるようになり、彼に対しどんな感情を抱いているのか分かり始める。 【良い点(箇条書き)】 ・珍しいタイプの主人公だと感じた。お金持ちで完璧やシンデレラストーリーはよく見かけるが、お嬢様でありながらこれと言って秀でた部分があるわけでもなく、自信もないタイプの女性が主人公。オリジナリティを感じる。 ・九年離れていても気持ちが変わらない。彼がとても一途。 ・初めは分からないが、あることをきっかけに主人公の本心が明かされていく。 ・主人公は一般的な女性なのだろうか? 自信はないながらも、彼が自分には甘いということを何処かで分かっている。だからこそ自信がないとも言える。 ・自分のことを理解し、背伸びをしない等身大の女性だと感じる。 【備考(補足)】31ページ目まで拝読 【見どころ】 余裕である婚約者に対し、翻弄される主人公が見どころなのだと感じた。あまり見たことのないタイプの組み合わせにオリジナリティを感じる。 自分に自信がなく、積極的になることのできない女性の心理が分かる物語でもある。両片思いではあるが、主人公にはその自覚はなく心の中では想いを寄せていても、周りが気になるのか冷たいように感じる態度。きっとこの彼でなければ、彼女の好意に気づき辛いのでは? それだけ彼が、主人公のことを理解しているのだとも言える。主人公は今まで父の勧めで他の男性とお付き合いをしたりもしていたようで、彼の自信が何処から来るのだろう? と思うことも。読了部分ではまだ彼について分からないことが多いが、果たして二人はどうなっていくのだろうか? あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? 二人の行く先をその目で是非、確かめてみてくださいね。おススメです。

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crazy's7

公爵令嬢の裏稼業

主人公の視点から召喚者の魅力が伝わって来る、思わず読者も恋をしてしまうのでは? と感じる物語

【簡単なあらすじ】 ジャンル:ファンタジー 皇帝の命により、異世界召喚された者を監視することになった主人公。彼は周りの女性を一瞬で魅了してしまうような美貌の持ち主。監視しているうちに、この国では退化したはずの魔法を彼が使えることを知ってしまう。彼を暗殺するのが彼女の任務なのだが、どうやら彼に好意を抱かれているようで……?! 【物語の始まりは】 主人公が英雄と呼ばれる者を暗殺しようとするところから始まっていく。しかし、その刃は彼に届くことはなかった。何度も隙をついて襲い掛かろうとするも失敗。相打ち覚悟で懐に飛び込んだものの。何故か気づけば、結婚の誓いをしていたのである。一体、二人の間に何があったのか⁈ 【舞台や世界観、方向性】 魔法の退化した異世界が舞台。召喚魔法が成功し、異世界からある人物を召喚したものの、皇帝は異界の女性を召喚したかったようである。他の要因もあり、平民として市井(人家が集まっている所。ちまた)に捨てられた召喚者だったのだが、彼に特別な力があってはいけないということで、主人公が彼の監視として選ばれたのだった。 【主人公と登場人物について】 主人公は暗殺者。皇帝の命により、召喚魔法で召喚された者を監視している。顔の良い父を持つ。召喚者もとても顔が良いらしい。 【物語について】 異世界ものと言えば、大抵は転生、転移、召喚された人物が主人公の場合が多いが、この物語では主人公に監視されるという変わった位置にいる。多くの物語では、チートスキルなどを所持しており魔王討伐などをさせられたりするのだが、彼は早々に平民として捨てられてしまう。ここで皇帝があることに気づかなければ、彼は放置されたまま自由気ままな人生を歩んで行ったのだろうと思われる。しかし運命の悪戯なのか、主人公は彼の監視をすることになるのだ。面白いのは、彼があることにより有名になってしまった為、なんだかアイドルのような扱いを受けている。その為、監視をしているのだがアイドルの追っかけのようにも見えてしまい、コミカルに感じる部分もあるのだ。果たして、どうなっていくのだろうか? 【良い点(箇条書き)】 ・プロローグの時点で物語の方向性が分かるので、楽しみやすい。 ・面白い視点の物語だと思われる。主に活躍しているのは主人公の監視している相手。主人公はそれをひたすら監視している。 ・召喚者の活躍などから、この物語の世界観が分かってくる。 ・ちょいちょい気の緩んだ主人公が、召喚者に見惚れたり心を乱されたりするのが可愛い。 ・召喚者は惚れるだけの価値がある。一途で、女性の誘惑もはねのける。 ・召喚される前、どんな境遇だったのかはわからないが、何か秘密を抱えていそうな部分があり、好奇心を誘う。 ・父の思いまで読むと、主人公の疑問が解かれる。 【備考(補足)】17話まで拝読 (+父の思い) 【見どころ】 この物語は、何故冒頭から結ばれるまでに至ったのか? 本編にはそこまでの経緯が語られていくのだと思われる。父の思いにて、彼女の過去も語られており、そこで全体像が分かって来る印象。 主人公は皇帝の命により異世界からの召喚者を監視することとなる。その召喚者は初めは愛想が良く顔が良いという人物に見えるが、彼女の視点を通し人柄や良さが伝わってくるのだ。一目見た人々は、その容姿に惹かれていくのだろうが、彼の紳士的な所や一途な所、常識や良識を兼ね備えた人柄は読者をも魅了すると思われる。召喚者は主人公に一筋なのだが、主人公は恋愛に疎く任務が絶対だと思っているので惚れているようには見えるが、意志を変えることはない。恋愛要素が強く全面にでいるわけではないのだが、主人公の任務が監視や暗殺な為どうしても彼の行動を見つめていることになる。不思議な魅力を持った物語であり、女性なら彼に惚れてしまうのではないかと思ってしまうほどだ。あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? どのような経緯で二人が誓いを交わすことになったのか。その目で是非確かめてみてくださいね。おススメです。

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crazy's7

シノノメナギの恋わずらい

トランスジェンダーであるために起こる、壁と葛藤も描いた物語

★どんなことをテーマにした作品なのか? 主人公の妄想をテーマにした作品 【妄想とは?】 妄想の意味 とらわれの心によって、真実でないものを真実であると、誤って意識すること。 また、そのような迷った考え。 邪念。(web調べ) 恐らく、この物語での妄想は空想にふけるという意味合いだと思われる。 空想とは? 現実にはあり得ない事、現実とは何ら関係のない事を、頭の中だけであれこれと思いめぐらすこと。 【どんな物語なのか?】 図書館司書として市の図書館に10年務める、トランス女性が主人公。本が好きで、新刊をいち早く手に取りたい彼女にとって、図書館で仕事するのは夢だったようである。トランスジェンダーである彼女は、身体は男ではあるが見た目や心は女性。そして恋愛対象は男性。周りの友人は結婚や子育てをしているようだが、主人公は35になるが恋人はいない。しかし職場の環境は良いらしく、多様性が理解されているようだ。 そんな彼女は図書館に来る人々に”もし、自分の恋人だったなら”と妄想を抱く。この物語は、そんな彼女の日常の物語である。 【好きな所や印象に残ったところなど】 ・主人公の妄想は、まず相手がどんな人物なのか推理するところから始まっていく。何故図書館にやって来るのか? など。なので、どんな人物なのか分かりやすい。(想像しやすい) ・初めの頃はモノローグで主人公がどんな妄想をし何を考えているのか分かるところから入っていくが、段々と他の人との交流からも人となりが分かっていく。 ・正論な毒舌が効いている。接客業などでもあるが、顔はニコニコ心で毒舌というのはよくある。この物語の主人公にもそういう面での人間らしさというものを感じた。 ・利用者の借りた本から、人生を垣間見ることができる。 ・主人公がとても乙女である。 ・進展はゆっくりだが、心と体の不一致による乗り越えなければならない部分に関しても描かれている。 *21話 完結 【全体の見どころ】 主人公は妄想はするものの、現実の恋に踏み出すことはなかなかできない。それは心と体の不一致の部分に対して、乗り越えなければならないものがあるからだと感じた。心が異性であっても、身体が同性となる場合は、どんなに互いに惹かれ合ったとしても、簡単には進めないものだ。同性愛者と、自認の性別が身体と違う人の恋愛観はそもそも違うものだと思う。 同性愛者というのはあくまでも同性に対して恋愛感情を抱く前提なので、自分を同性として認識し恋愛に発展していくもの。なので、出会いが少ないとしても初めから相手から見て、同性であるという部分においてはハードルは低い。しかし自認と体の性別が不一致の場合は、トランス女性ならば女性として愛されたいという前提がある。もし普段から女性に見られているとしたならば、異性愛者と恋愛関係に発展する可能性はあるのだ。互いに無性愛者(性愛を持たない)ならば精神恋愛を続けられるかもしれないが、この物語の主人公のように性愛を持つ場合は、カミングアウトしなければならない局面はやって来る。この物語ではそういう複雑な部分や問題なども描かれており、性の不一致でどんな悩みを抱えるのか、考えさせられる。 あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? そのままの自分を受け入れられることが、どれだけ愛されていることなのか改めて考えさせられる物語です。おススメです。 備考*16話まで拝読

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crazy's7

やり直したい傲慢令嬢は、自分を殺した王子に二度目の人生で溺愛される

一度目の人生で自分の出生の真実を知った主人公が、自分の行いを悔いて人生をやり直す?!果たしてその結末は?

【簡単なあらすじ】 ジャンル:ファンタジー わがままで傲慢だった主人公は、そのわがままがきっかけとなり、15歳にて王子殿下に殺害されてしまう。その際に知った出生の真実。後悔しても時すでに遅し。しかし彼女にはもう一度人生をやりなおすチャンスが訪れたのだ。後悔を胸に抱き、今度こそは立場を弁え頑張ろうとするのだが。そんな彼女の前に現れたのは自分を殺した王子殿下。しかも好意的な態度を取られ、罠ではないかと怪しむのだが……?! 【物語の始まりは】 主人公がある者に恋をし、親の反対に不満を持っていた。初めは身分の差のせいだと思っていた。わがままで傲慢な彼女は自分の都合の良いように解釈をし、屋敷を抜け出してしまう。そんな彼女に待ち受けていたのは、初めて聞く自分の出生の真実と死であった。だが物語は、ここで終わりではなかったのだ。果たして主人公は自分の人生を変えられるのだろうか? 【舞台や世界観、方向性(箇条書き)】 この物語は群像劇のようだ。 時間が巻き戻り、やり直した人生の中で自分の境遇がどんなものなのか明かされていく。主人公だけではなく母視点からも詳しくわかっていき、母の想いには感動を覚える。また、殿下の視点から何を考えているのかも明かされているので、早い段階で二人がすれ違っていることが分かる。 【主人公と登場人物について】 主人公はわがままで傲慢な公爵令嬢。その性格や振る舞いが災いし、15歳にして命を終えてしまう。しかし彼女にはもう一度チャンスが訪れる。 彼女を救うのはある一つの言葉。その言葉を反芻した彼女は、今まで自分がその事実に気づかなかったことに驚きを隠せなかった。つまり、自分自身に無関心だったということである。 そこから真面目に自分の境遇などについて考え始める、主人公。自分の思い込みが、決して自分のせいだけでなかったことなどを思い出していく。兄の愛に気づきはじめ、自分が人質であることを再度確認しながらも、家族の一員でありたいと願うようになる主人公に切なくなる。主人公の二番目の兄はとても愛情深く、妹である主人公のことを大切に想っている印象。 【物語について】 やり直した後の人生では、自分を殺した人物と遭遇することとなる。未来のことだとしても、確かに怖いと感じた。主人公が相手の真意を推し量るのは当然のことだと感じる。ホラーな展開だ。実際に相手がどう思っているかは(6.出逢い時点)分からないが、主人公は深く考察している為、相手が自分を嫌っており、騙そうとしているようにしか感じることができない。このすれ違いとう疑り深さが、コメディのような面白さも醸し出している。 主人公が本気で自分の将来を考える。そのことが相手の心を動かし、ややこしい事態になる物語である。人の心とは、自分の言動一つで変わっていく。人を変えることはできなくても、自分自身を変えることはできる。その結果、周りが変わっていくのだ。他人は自分を移す鏡。まさしくそんな物語だと感じた。 【良い点(箇条書き)】 ・お互いの策略が本気過ぎて面白いが、見た目は9歳と7歳だという事実に気づかされる瞬間が面白い。 ・人生をやりなおす前には主人公が気づかなかった事実が明かされていくのも面白い。 ・互いの心が分からないからこそ、すれ違い笑ってしまう部分が多いが、本人たちは真剣。わかること、分からないことで人の気持ちは大きく変わるということに改めて気づかされる。 ・単なるラブコメではなく、教訓が多いと感じる。 ・意識を変えることで、全く別な人生を歩んでいることが分かりやすい。 ・己を律しようと頑張っていいることが伝わって来る。 ・変わりたいならば、変わろうとする気持ちが一番大切なことに改めて気づかされる。 【備考(補足)】10ページまで拝読 【見どころ】 自分の行いを悔いて、一所懸命人生をやり直そうとする主人公。以前は自分を忌み嫌っていたはずの、王子殿下との出会いが彼女に猜疑心と恐怖を産む、スレ違いラブコメディという印象。自分の立場の真実を知った主人公は、一度終わった人生の結末を変えようと、必死に努力をする。その事で周りも変わっていく物語。人は過ちに気づいた時点で、本気で変わろうとすれば、未来を変えて行けるのではないか? と希望を抱かせる物語でもある。 ビフォーアフターの変化が分かりやすく、主人公のトラウマの対する姿勢が変わらない。以前自分に恐怖を与えた人物がどんなに優しくしても、それに甘えたりもしない。簡単に自分自身を甘やかしたりしない、貫く姿勢が素晴らしいと感じる。そして、人の心は見えないからこそ勘違いが起き、すれ違い部分に関して笑いが起きるのだと思う。感動する部分も多い、笑いだけではなく教訓も得られる面白い物語だと感じた。 やり直しの人生で、敵意を向けていた人物が自分に恋心を抱き、彼の人となりにも変化が起きる。果たしてこの物語の結末はいかに?! あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? お奨めです。

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crazy's7

君と初恋をもう一度

一途な彼と鈍感な主人公。二人の恋の行方は?

【簡単なあらすじ】 ジャンル:BL 高校3年の主人公がある日帰宅すると、父がある青年を同居人として連れてきた。彼は大学に通うため下宿するとの事。彼は美しい青年であり、はじめの頃は自分に対しての彼の接し方を不快に感じていたが、段々と別な感情が芽生えていくのだった。果たして彼の気持ちの正体とは? 【物語の始まりは】 父が家にある青年を連れて来たことから始まっていく。彼は主人公より年上であり、大学に通うためにうちに下宿することとなったらしい。彼は美しい青年であり、主人公は彼に対し心がざわついてしまう。彼に対しての主人公の気持ちの正体は一体なんだろうか? 分からないまま新しい生活が幕を開けるのだった。 【舞台や世界観、方向性】 舞台は現代である。友人が同性同士の恋愛に偏見を持っていないように感じる。(個人的にはとても良い印象)タイトルと物語が繋がった時、物語は新たな展開を迎える。 【主人公と登場人物について】 主人公は高校三年生の男の子。我が家に父がある大学生を連れて来たことから、主人公の生活は変わっていく。 どちらかというと、相手は打ち解けており主人公が戸惑っているようだ。 主人公の言動から彼が真面目な人物であることが伝わって来る。 彼の友人の想いを寄せる相手は異性ではあるが、主人公と同居人の関係に対し気持ちを探る様な言葉をかけていることから、少なくとも友人は同性だからという偏見を持っていない印象。 【物語について】 主人公は幼い時に恋をした記憶はあるものの、現在は恋人はいない。父の連れてきた同居人に特別な想いを抱きながらも、その気持ちの正体がわからなかった。彼にはいつも一緒に行動する二人の友人がいる。その一人がもう一人の友人のことを好きだということを打ち明けられる。うすうすその事に気づいていたこともあり、二人を応援する気持ちは本物だが複雑な心境になる。二人のことから自分自身も”恋”について考えるようになる。 主人公は日常で起こるいろんなハプニングにより、段々と自分の気持ちに疑念を抱いて行く。それはいずれ自覚に繋がっていくのではないだろうか? 果たして、二人に訪れる結末とは? 【良い点(箇条書き)】 ・日常にBLBLしさが無く、友人との恋愛が同時進行しており自然な感じがとても良い。(BLが好きでない人でも読みやすい) ・友人が同性同士の恋愛に偏見を持っていない印象があり、個人的に好印象を持った。 ・伏線が分かりやすいのだが、分からないように持っていっているのが面白いなと思う。 ・主人公が恋と自覚するまでの経緯が丁寧だと感じた。 ・タグにハッピーエンドとあるのだが、くっついて終わりという物語ではない。恋愛は付き合うまで、付き合った後も悩みはあるもの。日常系でもあるので、それらも描かれている。 ・友人が活かされている。(飾りではなく、彼がいるからこそ進展する部分もある) ・物語の流れはテンポが良いのにも関わらず、主人公の心情が分かりやすく、どうして心が変化していくのか? 過程が丁寧に描かれていると感じた。 【備考(補足)】9ペーじまで拝読 【見どころ】 ドラマチックな物語である。タイトルと物語がどう繋がっていくのか? 伏線を散りばめられはているが、主人公はその事になかなか気づかない為、読み手の方がうずうず(じれじれ)してしまう。 くっついて終わりという物語ではないので、主人公が段々と自分の気持ちを自覚していく様子も楽しめるし、お付き合いした後の展開も楽しむことができる。特に、同性間でも異性間でも悩みというのは変わらないと感じている。この物語でとても良いなと感じたのは、友人のッ主人公に対する姿勢。偏見描写もなく、応援したり相談に乗る姿が好印象。友達とはこういうものなんだなと、ほっこりした気持ちにもなれる。また、主人公と相手が惹かれ合っているのが伝わって来る。とても素敵な物語だなと感じた。 あなたもお手に取られてみてはいかがっでしょうか? お奨めです。

5.0
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crazy's7

鼻がでかいからフラワー

笑えて泣ける、メルヘンチックで残酷な、バンド小説

ちょっと前に、アニオタ小説のレビューを書きましたが、その作者、かつたけいさんの作品です。 奇妙なタイトルに、なんじゃこりゃ、と思い、こちらも読んでみたら……引き込まれました。なんだかズルズルと。 アクが強すぎて、万人にはおすすめできないかな。ということで、辛口の評価3.5です。 まずは簡単なあらすじ。 主人公は、中学生の女の子、高塚香奈(たかつかかな)。 とっても明るくて元気な女の子。 ですが、引きこもりのお姉ちゃんと、仲が悪い。 悪いというか、お姉ちゃんが完全に心をとざしており、それをなんとか元気づけようとするのだけど、お姉ちゃんが大暴れして、ボコボコに殴られてしまって。それでも香奈は、自分のこの態度が、いつかお姉ちゃんを救うんだ。と、あくまで前向きに、元気に過ごす日々。 ある日、商店街で、不思議で不気味な老人たちを目撃する。 黒い上下に、顔が真っ白塗りの、パンクロックみたいな、老人たち。 正体は、実は香奈のよく知った、商店街の老人たちだった。 商店街活性化のため、目立つような珍しいことをやろう、ということで、結成した老人バンドだ。 なんとなく通ううちに香奈は、なんとなくバンドに加わることになってしまう。 親にギターも買ってもらい、老人たちとの楽しい日々。 家では姉に殴られるけど、めげず、くじけず。 作詞を任されることになったものの、なかなか良い詞がひらめかず。 でも楽しいバンド活動。家ではボコボコ殴られるけど。 そんなこんなしているうちに、香奈は、交通事故で死んでしまいます。 冒頭の冒頭で分かっていることではありますが、とにかく、物語は主役交代。 後半は、お姉ちゃんの復活物語です。 引きこもりになった理由、ある酷い目にあったことが原因なのですが、 実は、前半ではまったく語られていなかった、凄いことが分かります。 お姉ちゃんよりも、死んだ香奈の方が、実は遥かに、凄まじく酷い目にあっていたのです。自殺してもおかしくないほどの。 自分を責めるあまり、精神がぐちゃぐちゃになって、お姉ちゃんは引きこもりになってしまっていたのです。 なんとかその苦悩から立ち直り、妹のあとをついで老人バンドに入り、妹が書きかけていた歌詞を、自分が完成させる。 そしてついに、フェスの日が来る。 ずっと引き込もっていたお姉ちゃんに、まともに歌えるはずもなく、と、そこに小さな、奇跡が起きて…… と、こんな感じのお話です。 なんだろうな、この物語は。 とってもせつない。でも、それだけでもなくて。 楽しいほどに、悲しくて、 悲しいほどに、楽しくて。 笑いと泣きが、絶妙な感じに溶け合った、そして題材が老人バンドという、とっても奇妙な物語です。 ちなみにタイトルは、物語のストーリーとは関係ありません。 バンド老人の一人の、肉体特徴であり、ニックネームです。 メンバー全員の、ニックネームでの紹介シーンがあるんですが、これ、笑えます。不謹慎だけど笑えます。是非、読んでみて欲しいです。 以前、泣き映画ブームがありましたけど、そんな感じに泣きたい人に、おすすめなお話です。

3.5
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Jリーグボール3号

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