普通の男子高校生である俺の日常は、どうやら美少女が絶対につきものらしいです。〜どうやら現実は思ったよりも俺に優しいようでした〜
表題の通りハーレム+鈍感系主人公のテンプレである。一昔前に流行ったためやや食傷気味である点を加味しても、会話や動作の流れにぎこちなさが目立つ。決め所はいいのだが、日常会話やつなぎの動作・会話で顕著であった。個人的な意見を述べると、度が過ぎる鈍感は食傷気味を通り越して没入を妨げるためやりすぎに気を付けたほうがいいかもしれない。何も考えずテンプレを運用した感じがあった。 一話が短くエピソードが一度で頭に入る上に、人物の情報の出し方が上手く、情報量のコントロールがされているのが伝わってきた。随所に工夫がみられたが会話回りがぎこちない、惜しい小説だった。
- 作品更新日:2024/5/2
- 投稿日:2021/8/26
迷宮探偵4946 ~剣と魔法のファンタジーRPGで、なんとしても探索者として成功したい黒髪和風エルフの巨乳剣士(天然)は、この世界にたった一人の『迷宮探偵』に依頼して最難関の迷宮で一発逆転狙います!~
レビュータイトルですべてがわかるだろうが、この小説はドタバタコメディである。それも、ゲーム内容・ファンタジー要素・メタ発言となんでもありだ。 評価としては、文章のテンポが良く読みやすい点が高評価だ。コメディはテンポが命である。 リプレイ集を楽しく読める人には、この小説もお勧めできる。個人的には面白かった。
- 作品更新日:2021/6/30
- 投稿日:2021/8/25
『灰色乙女の流離譚』 私は自分探しの旅に出る【完結】
軽い文章が幻想的な雰囲気を放つ、王道冒険ファンタジーである。 著者のペルスネージュ氏は特徴的な文体の方で、軽く読みやすいながらも不安と期待の入り混じる雰囲気の良い小説を書く。内容ももちろん良いがそれ以上に文体の合う合わないが大きいので、ぜひ一度読んでみてほしい。空気にどっぷり浸かれたなら、同著者の他作品も同じように楽しめる。作家と読者の良い出会いとなることを願う。
- 作品更新日:2020/12/27
- 投稿日:2021/8/30
週末TSロリおじさん
最初に一言言っておくが、この作品に「BL要素はない」。BLを忌避される方もブラウザバックせず見てほしい。作品を最後まで読めば、「BLではない」という言葉の意味は分かるだろう。 この作品は、親友が恋人になる過程を日常系小説の形態で描いている。 日常系としての掛け合いはすらすらと読めて完成度が高い。恋愛要素も内面の変化を直接的すぎないように描写しており、感情変化を丁寧に追うことができる。 特徴的な「TS」要素については、関係性の変化をうまく説明する設定として活用されている。TS系において過不足のない描写は珍しい。冗長さを感じさせない点は本作の長所の一つと言える。
- 作品更新日:2022/6/30
- 投稿日:2021/8/25
異世界にタワマンを! 奴隷少年の下剋上な国づくり ~宇宙最強娘と純真少年の奇想天外な挑戦~
あらすじや描こうとするストーリーからは童話のような良い意味での単純さを感じる。しかし、状況や事実の説明不足が著しく読むのが困難であり、さらに登場人物の過去・信条が読み取れないなど文章面で問題が多い。あらすじや雰囲気に光るものは確かにあるのだが……。過不足のない描写が行えれば本来の持ち味が発揮されるだろう。今後に期待したい
- 作品更新日:2021/8/31
- 投稿日:2021/8/25
EgoiStars:RⅠ
看板に偽りなく「スペースオペラ」であった。複雑な群像劇を読めるように書くだけでも相当の技量であろう。とっさに識別のできない単語が複数あり読みにくい部分はあったため、略称を用いるなど視認性を上げる工夫が欲しい。(例えば王国・帝国・共和国、B.C・A.Cなど)そんな理由で離脱者を出しかねないのはあまりにもったいない。 全体的に地の文が多く硬めだが、キャラ周りの書き方はラノベに近い。上手く過去の作品群と差別化しつつ王道を守っている点が好印象だ。スペースオペラのファンにはおすすめしたい。
- 作品更新日:2021/11/6
- 投稿日:2021/8/25
わたしの知らない、先輩の100コのこと
この作品は、百日分のエピソードからなるオムニバス形式に近い学園ラブコメである。カクヨムコンでも一位か二位を取っていたように記憶しているが、そのことからも品質は保証されている。 著者の兎谷あおい先生はこういった恋愛ショートストーリーを得意とする作家であり、Twitterの140字小説でも毎日良い小説を書かれている。そんな兎谷先生の作風と設定が噛み合った結果、飽きの来ない日常ものラブコメとなったのだろう。(日常の問題点が飽きの早さであり、それを感じさせないという点で最上級の賛辞のつもりである) 文体は大変柔らかく、文章から漂う空気が穏やかで読みやすい。セリフも違和感がない。強いて言うならやや女性向けの文体・言葉選びになるかもしれない。(内容は恐らく男性向けである) 合う合わないはあるだろうが傑作と呼んで間違いはないので、まず最初の数話だけでも読んでみてほしい。
- 作品更新日:2019/7/1
- 投稿日:2021/8/25
私はセックスがしたい 私は眠りたい 私は
生々しい描写・詩的な文・意味深な言葉などを特徴とする、純文学テンプレに挑戦した作品である。純文学を作ろうとする作者の挑戦心は評価したい。いまどき文章力やテーマで勝負する人は貴重である。ぜひとも応援したい。 ただ、作品を貫くテーマがわかりづらく、描写も意味が取りづらい。グロ描写が必要以上に生々しいのも読者を選ぶように思う。今後に期待したい。
- 作品更新日:2021/9/28
- 投稿日:2021/10/4
魔法少女になるからわたしと契約してよ
オチにニヤッとするが、私もこんな魔法少女はイヤだ。 短編小説に定評のある燦々SUN氏の作品で、安定した文章と構成は安心して読める。 「わたし、魔法少女コントラクターまりん! 父は弁護士母は詐欺師。愛読書は六法全書! 今日も、無法地帯出身の蛮族達に契約の恐ろしさを教えちゃうゾ☆」(本文より引用)
- 作品更新日:2020/7/17
- 投稿日:2021/7/9
死にたがりは、この広い世界で何を願う。
すべてを失った青年と過去に何かを抱える少女のボーイミーツガールである。ある意味王道の設定であるが、テンプレに胡坐をかかない丁寧な描写がされている。 今作の魅力の一つは、一人称視点の使い方の上手さにある。それぞれの視界内で描くのはかなり上手い。それぞれの感情も違和感なく推移しており、物語の完成度は高い。会話文のテンポも良く、情報量や掛け合いの頻度も適切である。全体が高い水準でまとまっている。 ブックマーク数を見るに、明らかにもっと評価されるべき作品である。
- 作品更新日:2022/1/3
- 投稿日:2021/10/5