ブックワームは本屋に潜る
まさかこのような濃厚な本格ファンタジーが、KACで読めるとは思いませんでした。 本屋、といっても書籍を販売している書店の事ではなくてダンジョンみたいな感じですね。そこには色々な本があって、その本にある知識に準じた攻撃をしてきたりする。 主人公はそれを攻略して、本を手に入れていくという流れなんですが、このあたりはテイマー要素みたいな感じで。 そして特筆すべきところというか、特に読んで欲しいのがそこで出会った本が、めっちゃかわいいーーー!! 小生意気だけどちょっと子供っぽさもあって、あらあらまあまあと思いながらその行動を読み追ってしまう。 長編連載を期待してしまう、彼の成長も気になるお話でした。おすすめです!
- 作品更新日:2023/12/1
- 投稿日:2023/3/19
学習
今も電子書籍で買う人が増えてる状況を鑑みると、こういう世界ってありそう!という未来を、ワンシーンで書き上げた作品です。 需要と供給のバランス、こういう所で取られたりするのかなあとか、でも最終的にはやはり必要無いものとして消えて行くのでは? という警鐘めいたものを感じるのは深読みし過ぎでしょうか。
- 作品更新日:2023/3/1
- 投稿日:2023/3/19
ぼくらの島〜近未来化する島に隠された秘密と少年少女達〜
すごくリアリティの感じる近未来。将来きっと、こういうシステムが出来上がって、人はガジェットを駆使して生活を便利に、そして楽しめるようになるのであろうと思える要素が満載。 導入は「なにかありそうな気配はするけど、それよりこの近未来のシステム、ワクワクする!」という感じなんですよね。主人公もそんな感じで。 だけど徐々に事件の香りが漂いはじめ、ミステリー度が跳ね上がって行く……。 感覚過敏気味で直感力が冴える主人公の真見は、気弱でおどおどしたところが多いのだけど、徐々に勇気を振り絞って行動し、マイナスのように感じていた特性を長所に変えて成長していく。島で出会った友人たちとの友情も見どころでしょうか。 近未来だからこそのガジェット、システムの存在が深く絡むミステリー。誰が敵なのか味方なのかの緊張感も。 話が進むほどに面白さが増す一作です。
- 作品更新日:2023/1/14
- 投稿日:2023/3/19
異端の聖女と流刑地ライフ 〜禁忌の研究などしていないのだから胸を張って新天地を謳歌してやろう!〜
タイトルから、流刑地で開拓系スローライフがはじまるのかと思っていましたところ、違いました! 魔術師ぺルクスはマッドサイエンティスト気味(知識欲が行き過ぎ?)だけど優秀な魔術師で、愛し合う獣人と妖精カップルのためにカモミールという二人の子供を誕生させてしまった事から、禁忌を犯したという事で流刑の沙汰が。カモミールの両親も、二人を逃がすために囮をした際に捉えられ、先じて流刑されており。 魔界という神の恩寵も精霊の加護も少ない場所。ほとんど死刑宣告と同じ扱いのようですが、なんとか生き残って生活している人もそれなりに。 両親も生活の基盤を作り上げて無事であるという事なのですが…。 新たな仲間を加えつつ、魔界ならではの生き物とのバトル、流刑されるに相応しい人間との戦いなど、次々と戦う場面が。ゴーレムや薬品を駆使するぺルクスの戦い方と、見た目は少女・中身は幼女なカモミールの肉弾戦は必見。 パーティ中一番強いカモミールが、優しすぎて結果的にトラブルメーカーになっていますが、周囲のサポートで彼女はどんどん精神的に成長していく感じでしょうか。 ぺルクス視点とカモミール視点が、随時切り替わる形で話が進行していきます。 ほのぼのシーン、熱いバトル、しんみりパートを織り交ぜた、魔術師と獣人と妖精の特性を持つ少女の大冒険。読んでみませんか?
- 作品更新日:2024/1/4
- 投稿日:2023/3/19
『ショコラティエ・クエスト』女神様がガトーショコラを食べたいからって異世界に召喚されてしまいました(涙)
お菓子作りをテーマにしてる作品は女性向けが多い印象ですが、こちらは異世界ファンタジーとして性別問わずに楽しめる内容です。まわりを彩る仲間達がほんわかメルヘンな動物キャラと言う事もあって、子供も楽しんで読めるかも。 図鑑を埋めて行くタイプの合成系シミュレーションゲームのような感じもあって、何かを作るたびにスキルがぽんぽん解放されていくのが快感。その都度作れるものが増えて行くのが、これまたゲームっぽくて楽しい。 主人公はお菓子作りが得意なものの普通の高校生。それでも今もてる知識を総動員し、最終目標のガトーショコラを目指して! 二章が前任者のパートなんですが、こちらはプロのお菓子職人と言う事もあって、がらっと本格的に。こちらもテンポがよくてさくさく読めちゃう。そして話のメイン核がここにあるので、ぜひ二章まで一気に読んで欲しいかも。 Menuさんというシステム担当AI的な存在がいるのですが、主人公とMenuさんのやりとりも楽しいです。 お菓子を作った事がない人でもイメージ出来る題材が多いので、お菓子に今まで興味がない人もぜひ。
- 作品更新日:2023/9/10
- 投稿日:2023/3/19
犬馬の心
窮鼠猫を嚙む、とも違う。首輪があるはずの犬は、確実なる逆転劇を淡々と狙う……。 家と家のつながりで、主従関係が出来上がった後に生まれた主人公は、生まれながらにして忠犬であることを強いられ、虐げられるような立場に。 彼女はついに勇気を出し、この家と家の関係に変化をもたらすべく動き出す。 彼女にこの勇気を与えたのは……? リズムある筆致の読みやすい文面です、一息にどうぞ!
- 作品更新日:2022/11/30
- 投稿日:2023/3/19
ハズレスキル『ちっちゃなメダルを見つける能力』を持っている俺。コツコツ集めていたら妖精からチートアイテムをもらえるようになりました。
18話でいったんの区切りがありましたので、そこまで読んでの感想となります。 タイトルを見ると、妖精、ちっちゃなメダルという単語のためか、ほのぼのしてるイメージがあったのですが、文面はライトであるものの、なかなかのダークファンタジーでした。残酷描写がかなりあるので注意が必要です。 ダンジョンが突然発生するようになったものの、それを探索できるのは特別なスキルを発現できる血を持った選ばれた人々のみ。ノーマルブラッドは何も出来ない凡人という感じで、主人公はまさにそちら側。 なのに、突如発生したダンジョンに取り込まれてしまい……。 何も出来ない主人公だけど、小さなコインを見つける能力が。そのコインを集めると枚数に応じてボーナス的にチートアイテムがもらえるという形で、トラブルに対処する形になるのですが。 妖精は何となく胡散臭いし、ダンジョン攻略も脱出も簡単なものじゃなく。一緒にダンジョンに取り込まれたヒロインと共に何とか進みはするけれど。 テンポよくさくさくと進む展開、ゲームライクな演出設定など、読みやすさは抜群です。最弱主人公がどのようにダンジョンを進むのか、先が気になる物語。
- 作品更新日:2023/2/24
- 投稿日:2023/3/19
花旦綺羅演戯 ~娘役者は後宮に舞う~
面白いという噂はかねがね。でもなかなか読みに着手できなかったのは、中華という題材だったから。漢字が多そうだし、役職名や人名が覚えられる気がしない。後宮の話ともなれば組織の構造も複雑だろうと。だから今まで全く触れてこなかったジャンルだったのですが……これがするすると読める! ルビが秀逸で、テンポも世界観も壊さない。難しい漢字や中国語要素も、全く引っかかりにならないのです。人名も、読んでるうちに名は体を表すを地でいくように、名前とキャラがしっかり合致。この人誰だっけ? と、ならないんですよ、登場人物が多いのに。 こんな風につまづく要素が完全に排除されているので、物語に入りこめる。 そしてこの話が面白いんだ……! 女同士の争いのドロドロしたところだとか、権力闘争、ライバルの存在諸々と、そのままだと気が滅入るようなエピソードが、面白さに昇華されており。 そして特筆すべきは主人公の燦珠(さんじゅ)。名前が表すように、日差しがさんさんと輝くような、明るい女の子。歌って踊れればそれでいい。この子の性格がとにかく気持ちよくて、応援したい! そして何があってもぶれない安心感。 性別を問わず読んで楽しめるエンターテインメント。読まずにおくのは勿体ない作品。おすすめです!
- 作品更新日:2024/1/15
- 投稿日:2023/3/19