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カクヨムファンタジー連載:77話完結

凄惨たる魔王の黙示録〜目覚めると勇者になっていた魔王は、斯くして世界を救う。

 最初の10話程度まで、これはコメディなのか?と思わせる部分が多々あり、仲間たちのやり取りが大真面目過ぎて、それがなまじコミカルに見えるため、勇者の皮をかぶった魔王と愉快な仲間たち、という進行するのかなと思わせておいて、実は重厚ファンタジー。  国と勇者、魔物と勇者、勇者と勇者…という感じで、勇者に対する色々な出来事が、中身が魔王という事により、良い意味でのアンバランスさ、かつ、意外性のあるシーンを構築しております。先が読めない点、どのように進行しているかも、どんどん想像がつかなくなっていくという。  仲間たちもただのテンプレキャラかと思わせておいて、深い人間性と過去をもっていたり、かなり厚みあり。  また魔王も、勇者とのギャップのせいで、最初はコミカルにさえ見えたその凄惨さが、魔王らしさを帯びてきて、迫力を増していきます。  通常は魔王VS勇者というのが王道路線ですが、魔王+勇者VS〇〇、となっており、その相手は人間であり、魔物であり…?一番世界を、ダメにしているのは?という所まで考えさせられていく。本物のルクルースの人間性や性格は、周囲の反応からしか推し量れませんが、中身がテネブリスでなければ解決できなかった事もあるようにも思え、彼が勇者の中にある意味すら考えてしまいます。  彼らの冒険に、どのような結末が待つのか。一味違う、勇者一行の物語をぜひご堪能ください。

5.0
  • 作品更新日:2021/7/3
  • 投稿日:2021/8/3
カクヨムファンタジー連載:37話完結

死神の共謀者

 これでもか!というぐらい、屑としか表現できないような人が諸々出て参りますが、出すぎて麻痺して、一番屑っぽい死神が最も常識的で頼りがいがあるように見えて来るという錯覚が生じます。  この作品に、漢字を一文字あててみるとしたら「爽」。  読まれた方は何処が!?と思われるかもですが、この爽という漢字、中央の大を人に見立てると、まるでナイフ投げの大道芸の的にされてる人と、そのぎりぎりに刺さるナイフに見えてきませんか?  主人公は、この大のところ担当という感じです。  かなりギリギリ、命の危険もあるシーンがてんこ盛り。痛いシーンも多めですね。死神の存在が、彼を助けているのですが。ギリギリになる前に助けられるはずなんだけど、あえてギリギリにしてる?ところにも屑感。  でもなんだか、とってもいいコンビのような気もして……?    「もうこれは運命だ、諦めるといいよ」と、自分も屑になって選ばれてしまった(目を付けられた?)主人公の肩を叩いて励ましたくなる作品です。

5.0
  • 作品更新日:2023/10/9
  • 投稿日:2021/8/7
カクヨムファンタジー連載:441話完結

終わる世界と狭間の僕ら

 世界が終わりそうな大変な混沌状態なのに、日本だけはほのぼの状態という、かつて見かけた事のない世界観。でも日本だけその状態であるという理由に、不思議と説得力もあったりするというのが。なるほど、確かに、日本ってそうかもという謎の納得の上で、神魔と秋葉とゆかいな仲間たちが織り成す日常のあれこれを楽しみながら読む、という感じの作品。  すでにかなりの文字数であるけど、現在もなお連載中であり、早く最新話に追いつきたい衝動にも駆られるが、キャラ達の掛け合いのやり取りを見逃したくもなくて、最初からじりじりと追いかけてしまう、不思議な魅力。  作者さんが、登場人物全てを愛しているという印象で、一人一人の個性が大事に大切に扱われており、やり取りで醸し出されるほのぼの感は、コミカルでほっとする部分も多々あり、物語だけでなく、彼らの日常の空気感を主軸で楽しんで行くスタイルで読むのも良い感じですね。  魅力的な登場人物がそろっているので、特定のキャラに、ハマる人もいると思います。  作者さんの絵が上手く、ツイッターをフォローしておけば登場人物のビジュアルも楽しめます。

5.0
  • 作品更新日:2022/7/1
  • 投稿日:2021/8/1
カクヨムその他連載:11話完結

桃太郎トライアル

 童話や絵本を題材にした作品は数あれど、作者が思考と発想の翼を自由気ままに広げ、ついに成層圏に到達した結果、書かれるに至ったような桃太郎が、かつてあったであろうか。  ややネタバレ感がありますが、作品の雰囲気を感じ取っていただくため、概略的に記載させていただいております。  おばあさんと桃との出会いは、まさかホラーなのか?と思わせる絶妙な言葉選び。  いきなりのシュールで凄惨な場面に度肝を抜かれる。「おばあさん、あんた……!」と、10人中3人は叫ばずにはいられまい。私はその中の一人になった。  そして旅立ち、突然割り込む閑話、ついに揃うお供たち……。  無茶苦茶感があるのに、ちゃんと桃太郎の話の流れからは外れてないのが。  絵本も童話も、昔は残酷な描写が多く、時代の流れからマイルド表現になったと言われているが、これは、そういう意味では、原点に回帰したと言えるかもしれない。いろいろ、違うけど。

5.0
  • 作品更新日:2021/9/1
  • 投稿日:2021/8/1
カクヨムファンタジー完結非公開

クロスリフレインⅠ~瑞光に導かれし赫灼~

 「壮大な」という印象を、最初の小さな村のエピソードだけで感じられるのは、この世界観がまるで実在するように丁寧に描かれているからであろうか。  空には雲が流れ、風が花と草の香りを運んで来るのがわかるような緻密で繊細な情景描写と、登場人物の静かな感情の揺らぎすらも丁寧に描き出されるこの作品。  一見平和で落ち着いて見えるこの世界には、魔物の被害…黒魔とよばれる魔物による甚大な影響を受けていて、その増加の理由は不明。  主人公セフィは、聖女位としてヴェルトゥという村で暮していた。  過去、この村も黒魔により半壊したことがある。    そんなある日、再び村に危機が……?  この事件をきっかけに、運命は交錯する。旅に出るには名の知れた護衛が必要というセフィと、治癒の力を持つセフィを己の目的のために連れて行きたいクローネは出会い、セフィは小さな村を出て、自分と世界を知って行く旅がはじまる。  聖女とはいったい何者なのか、黒魔とはいったい何なのか。世界はどのようになるべきなのか。交わる運命は二人をどのような結論に導くのか目が離せません。  通常の物語ではモブとして名前が出る程度の登場人物の心情さえ丁寧に描かれ、彼らの気持ちを知る事で主人公セフィの輪郭がより濃く表され、小さなエピソードも余す事なく記される物語はまさに大河小説。  一人の聖女位の少女の旅路に、あなたも付き添ってみては。

5.0
  • 作品更新日:2021/9/14
  • 投稿日:2021/7/27
カクヨム恋愛連載:48話完結

白銀の狼 Ⅱ【続編】

 白銀の狼の続編として書かれた本作。「狼」と「人」の姿を切り替える事が出来る能力のある「人狼」でありながら、彼女だけが「狼」になる事が出来ない。人狼の村にあってそのマイナス要素はレティをずっと苦しめ、恋心も秘めるしかありませんでした。  前作の敵は「人間」で、主人公レティの類まれな色の珍しさと美しさが原因となって、愛玩動物として物理的な檻に囚われる事になりましたが、その見た目の魅力が武器にもなり、機転と勇気で戦う事ができたのですが……。  しかし今作の敵は「人狼」という同じ種族。「狼」としての強さが必要で、それは狼になれないレティには全くないもの。彼女は非力で弱い「人」の能力だけで彼らと対峙する事に。  浮彫になる「狼」としての弱さ。それが自信を奪い、やがて彼女を後ろ向きな心の檻に閉じ込めていきます。  襲われた村のために、彼女はいかにしてその心の檻から脱出するのか。  傍らにあるグレイルの愛に支えられ、レティはレティらしく戦って行く。  繊細な心理描写と、彼女の苦しみは共感できる事も多く、誰もが彼女を応援せずにはいられなくなるかと。  姿形ではなく、人として、狼としての本質に向き合い続けるレティの戦いを、ぜひ一作目から追いかけて欲しいです。

5.0
  • 作品更新日:2021/10/18
  • 投稿日:2021/7/27
カクヨム恋愛連載:16話完結

The other possibilities

 この作品には本編が存在し、こちらはスピンオフのアナザーストーリーとなっておりますので、本編を読み、いくらなんでもこいつ、可哀相過ぎる……という感想に満たされた読者は、こちらを精神安定の処方薬のように摂取すると良い、という感じです。  本編で若干気の毒な立ち回りの登場人物が、幸福ルートに突入した場合なので、実際の本編の流れを汲みつつも、やはり違うお話として読む系。  本編と違って恋愛要素の塊の話なので、年の差カップルのイチャイチャシーンにほっこりする人なら、これ単品でも楽しめるかも。  ただこっちを先に読んで、彼のファンになって本編に行くと、ややきついかもしれません。  読むならやはり、本編が先、というのを個人的には推奨すべきかなという感想を持っております。参考までに…。

5.0
  • 作品更新日:2021/10/11
  • 投稿日:2021/7/28
カクヨムファンタジー連載:173話完結

ライオット オブ ゲノム 〜孤児でいじめられていた私ですが、どうやら魔女だったようなので、悪い奴をやっつけて国を大改造することにしました〜

 まず、とにかく文章が上手い。読みやすいのは元より、キャラの個性がしっかりしているので、”〇〇は口を開いた”のような記述がなくても、誰のセリフかがわかる。もう、彼らは実在してるというレベルで作者の脳内でキャラが生きてますね。なので、場の雰囲気がストレスなく伝わって来て、気づくと世界の中に没入出来ているという。  時間感覚も長いし、かなり深みのある世界設定で、用語もこの世界独特なものがあるのですが、それが会話やちょっとした表現で、違和感なく、読んでるうちに理解出来て、とにかく自然。つらつらと世界観を説明されないので、退屈なシーンがないです。  キャラのやり取りや、情景を純粋に楽しんでいける。しかもストーリーが面白い。シエラの生まれの秘密だけでなく、他のキャラも謎めいた部分があって、その力も、とにかく気になって、次の話を、時間の限りどんどん読み進めてしまいます。  時々、飯テロ的に美味しそうな食事シーンが出て来るのが、要注意でしょうか。腰を据えて読むなら、飲み物とおやつを用意しておくことをお勧めします。  作者さんのそのほかの作品として、スピンオフ的な番外編、短編もあるため、キャラをより深く知りたい場合も至れり尽くせりです。

5.0
  • 作品更新日:2021/7/14
  • 投稿日:2021/8/11
カクヨム恋愛連載:65話完結

白銀の狼

 レティリエは、人狼の村にあって、狼になれないというマイナススタート。それを要因としての不遇が続くのが、読んでいてなかなか辛いのですが、そんな中でも彼女の味方になる安らぎの存在が誰かしらいるという、絶妙な匙加減で、ひたすら辛いだけの状況ではなく、レティも読者も踏ん張れるという。  狼の世界観と価値観、人間の世界観と価値観が交錯していく中で、健気なレティリエは、その凛とした狼としての矜持を胸に、孤独の中でも一人立ち向かって、いくつものピンチを、機転と度胸で乗り越えていく姿は、とにかく逞しくて美しい。  彼女の心に秘めた恋心が甘酸っぱく、グレイルとの僅かなふれあい、それこそ肩が触れ合うような些細な事でも、一緒に胸が早鐘を打ち始めるような、切ない恋心を追体験してしまう。  人と、狼と、両方の姿を持つ人狼という立場を、人と狼それぞれの価値観を絡ませて表現しているのが秀逸。そこにロマンス要素が比重高く反映されていて、恋愛小説としてかなりのハイレベル作品。  更に、物語の主軸や世界観もしっかりしており、恋愛のタグで女性向けに思われるかもだが、人狼が主人公のファンタジー作品として、男性にも読みごたえのある一作ではないかと。

5.0
  • 作品更新日:2021/10/21
  • 投稿日:2021/7/27
カクヨムファンタジー完結非公開

異端少女らは異世界にて

 コメディでサンドイッチしちゃいましたが、物語の本質はダークファンタジーですね。  登場人物の性格等をすべて情報から排除して、メインの物語と各場面を追いかけると間違いなくそうであると。  殺伐とし、血みどろの凄惨な世界。差別や憎悪、復讐、憤怒や哀しみに彩られった、真っ黒な世界。  ところがそんな異世界に転生をし魔王を倒すべく選ばれた五人が、とんでもない少女達だった……。その五人の性格、行動、台詞のためにコメディ化しているという。  五人の個性についてはもう、最初の二話を読むだけで把握できてしまうぐらいの濃さで、年齢的には女子高生なのですが、普通の子が一人もいない。  やってる事は無茶苦茶なのに、何故かそれが「こいつらだし」、と納得してしまう謎の説得力。  だけどどの子も、その尖り切った個性がたまらない…この子達を知ってしまうと、普通の優しく可愛いだけの美少女じゃ物足りなく!  残虐シーンや痛いシーンも多くてひえーと思うのに、随所にスコッと入ってくる台詞で全部吹っ飛んで、笑って読んでるという謎な自分にも出会えます。  全体の雰囲気として、横方向は明るく楽しいのに、縦は暗く深みがあるという印象です。この縦横の絡まりは、読んで体感して欲しい。  もっと続きを読ませて!と思う事請け合い。おすすめ!

5.0
  • 作品更新日:2021/10/31
  • 投稿日:2021/8/4