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ノベルアップ+ファンタジー連載:1455話

ハニーローズ ~ 『予知夢』から始まった未来変革 ~

【簡単なあらすじ】 ジャンル:異世界ファンタジー それはトワイス国を舞台に巻き起こる。 この国のある侯爵令嬢である主人公は10歳の時に予知夢を見ることが出来るようになる。その内容は国の未来さえ予言するものであった。主人公はある2つの選択肢を持っていた。それは自分自身が幸せを感じられる未来と、大切な人を守れる未来。主人公の選んだ選択は、やがて大きく未来を動かすものとなる。未来に繋ぐための物語が、今始まる。 【物語の始まりは】 始まりは娘の戴冠式から。この物語は予知夢を見ることのできる母と娘二代に渡る物語であり、プロローグの後は母の幼少の頃の出来事へと移る。恐らく、娘の代で起きる出来事と深く関わるのであろう。長い母娘の物語はこうして幕を開けていくのであった。 【舞台や世界観、方向性】 あらすじにもある通り、母は予知夢を見ることができる。 主人公の暮らす国を含む三国がある帝国から攻められ戦争となる。この物語は予知夢によって予め起こることを予測し、危機(大切なものを失う未来)を回避する物語。 【主人公と登場人物について】 母の幼き日から始まっていく。恐らく母がどんな幼少期を過ごし、家族がどんな人々だったのかが重要なのだと思われる。母には兄がおり、10歳の頃から予知夢を見るようになる。 母の物語での主人公は侯爵令嬢ではあるが、お転婆だからなのか少し砕けた話し方(口調)が印象的である。(4話からの印象) 彼女を社交界デビューの時にエスコートしてくれるのは幼馴染みでトワイス国(主人公の暮らす国)の宰相でサンストーン公爵の一人息子。彼女と仲の良い友人は、彼の他には第一王子。3人の関係がどのように変わっていくのか(変わらないかも知れないが)も見どころの一つなのではないだろうか? 【物語について】 プロローグの後、母の物語へ。この物語で重要なのは”予知夢”だと思われる。いつ頃から予知夢が見られるようになったのか? 周りの者がどうやって信じるようになったのか、その経緯について語られていく。次に重要なのは”ハニーローズ”が誕生すること。歴史改変(予知夢による未来改変)に必要なのはこの2つなのだろう。つまりどうやって”ハニーローズ”が産まれることとなったのか? ”その選択に至るまで”もこの物語にとって重要な点だと思われる。そしてその方法に家族の協力が必要不可決。夢の話を家族に告げ、自分の未来を話し、その選択の為に家族の協力を受けるくだりは見どころの一つ。最初の山場と言っても過言ではないだろう。この計画は決して一人で成し遂げることはできない。タイトルである”ハニーローズ”がなんであるのか分かった時、この物語がどこへ向かおうとしているのか? はっきりと明確にそのビジョンを見ることができるだろう。 【良い点 (箇条書き)】 ・貴族とは傍から見ていると華やかに見えるが、その裏での苦労も描かれている。 ・母の代から描く必要があった理由がきちんと明かされている。 ・予知夢を家族に話すところからが本題ではあるが、そこまでの経緯について丁寧に描いていた理由もここで明確になり、なるほどと思わせる部分が凄いと感じた。 ・主人公(母)と家族の繋がり、絆の大切さなど全てが予知夢に関わってくる。必然性で繋がった物語である。 ・一人ではなく、家族の協力があってこそ成し遂げられるという未来に、壮大さも感じるし重要性も感じる。 ・タイトルであるハニーローズの意味が分かった時、読者との一体感が生まれると感じた。(これはあくまでも、私見です) ・ヒューマンドラマ寄りではあるが、国造りの物語でもあるように感じる。そこに面白さがある。 ・予知夢が見られることが活かされており、冒頭の部分の繋がりに途中で気づく。それがどれだけ重要だったのかを。 【備考 (補足)】第12話 一芝居 まで拝読 【見どころ】 冒頭の戴冠式の重要性を知った時、真の意味で物語の面白さの分かる作品だと感じた。初めは、母の子供時代から始まっていく。どんな子供であり、いつから予知夢を見るようになったのかなどが明かされていくが、この時点では家族の日常であり、社交界デビューなど貴族がどんな生活をしているのかが分かるという印象だ。しかし、この部分の重要性が分かるのは、予知夢を家族に話す段階になってから。なるほど、だから必要な場面だったのか、と気づかされるのである。予知夢から主人公がどんな未来を選ぶのか。その理由などを家族に打ち明けることとなるが、これは単に家族だからというわけではない。彼らの協力が必要不可欠だったからである。ここからは彼女の人生を辿ると言うよりは、未来を確実なものにするための大作戦という印象。そこまでの雰囲気とは変わって見えるのである。果たして、主人公の思い描いた未来は叶うのだろうか? その目で是非確かめてみてくださいね。お奨めです。

5.0
  • 作品更新日:2024/5/13
  • 投稿日:2021/10/30
カクヨム恋愛連載:9話完結

君との恋の物語-Obverse-

【簡単なあらすじ】 ジャンル:恋愛 友人だった二人があるデートからお付き合いを始める。お付き合いしていく中で、ヤキモチを妬いたり、不安を感じたりと日常を描いた物語であり、惹かれ合う二人の純愛を描いた作品である。 補足:君の名は 青春SFファンタジー 千年ぶりとなる彗星の接近を1ヵ月後に控えた日本。山深い田舎町で鬱屈した毎日を過ごし、都会の生活に憧れを抱く女子高生の三葉。ある日、夢の中で東京の男子高校生になった彼女は、念願の都会生活を満喫する。一方、東京の男子高校生・瀧は、山奥の田舎町で女子高生になっている夢を見る。そんな奇妙な夢を繰り返し見るようになった2人は、やがて自分たちが入れ替わっていることに気がつくのだったが...。(君の名はより、あらすじ引用) この物語は、いつしか互いに会ってみたいと思う所から急展開を迎えていく。時間のずれなどが作用し、一旦迎えた終焉に光が差す。互いに名前を言い合った二人だが、その記憶は薄れ……。 【物語の始まりは】 二人の電話でのやりとりから始まっていく。しかし、相手の言葉は主人公には意外だったようで想定外のの言葉に戸惑ってしまうのであった。 相手の男の子は普段は意地悪な彼。そんな彼と映画を観に行く約束をすることとなる。いつものように”嘘だよー”と言われるのでは? と不安に思っていると、”デート”と言われドキドキしてしまうのであった。果たして、二人の恋の行方は? 【舞台や世界観、方向性(箇条書き)】 注意:「君の名は」を見たことがないと、分かり辛いかも。 舞台は現代。 【主人公と登場人物について】 主人公は、意地悪だけれどみんなの中心にいるようなこの男の子に恋をしているようである。この物語の”君”には名前はないようである。その秘密は一ページの終わりで明かされていく。そして彼が誰なのか? はその後明かされていくようだ。 【物語について】 不思議なスタイルの物語である。主人公と彼のエピソードがあり、主人公の補足(?エッセイ)となる。読者に語り掛けるスタイルだろうか? 進路が決まってからは二人が別々の大学を目指すため、切なさを感じる。しかし二人は時間の合間を縫って時間を共有していく。純愛を感じる物語。 【良い点(箇条書き)】 ・初めは少し分かり辛い部分もあるが、互いに惹かれているという気持ちが伝わって来る。 ・新しいスタイルの物語だと感じた。 ・互いを大切にしていることが伝わってる。 ・純愛だなと感じた。 ・学生の頃からの想いが大人になっても変わらないケースは確かにあるが、二人は本当に惹かれ合っているからこそ一緒に居るのだなと感じた。 ・恋愛の中で起こる不安や疑問などに触れている。 ・学生らしさを感じる物語。 【備考(補足)】卒業-Obverse-2まで拝読 【見どころ】 学生であり、友人であった二人がデートのお誘いをするところから始まっていく。主人公は単に映画の誘いのつもりではあったが。それがきっかけとなり、告白をし二人は付き合い始める。 この物語の中で、運命を変えたデートの約束ではあるが主人公のある疑問が印象的。主人公の誘いを受けて、その中で相手は主人公に告白している。もし、自分が誘わなかったら、どうなっていたのだろうか? それは純粋な疑問なのだろう。これは恋愛において抱きやすい疑問なのではないだろうか? お付き合いの中で自然と起こる、ヤキモチやすれ違い、進路などにより距離が出来てしまうことへの不安などが描かれている。互いを思いやり、惹かれ合う姿がとても印象に残る物語である。純愛の好きな方にお勧めしたい作品である。 あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? お奨めです。

5.0
  • 作品更新日:2021/9/24
  • 投稿日:2021/10/30
小説家になろうファンタジー連載:321話

非日常になった世界でも日常を過ごしたいなと思いまして。

【物語は】 主人公のある一言から始まっていく。主人公のモノローグにより、報告のようなスタイルで現状が明かされる。 この物語では、ダンジョンの中が『床、壁、天井が淡く発光している』とある。(この構造については後々物語内で明かされていく) つまりこの”ダンジョン”とは、RPGゲームなどでは洞窟や炭鉱だとライトなどで照らされていることが多い、あのダンジョンのことなのだ。驚きである。 それがこの世界に出現したのである。どうやら主人公の家の地下にダンジョンが出来てしまい、そこを探検中とのこと。 さて一体このダンジョンはどうなっているのだろうか? (できた理由や構造など) 【世界観・舞台の魅力】 さてこのダンジョンは一体、どんな構造なのだろうか? そこから物語は展開されていく。ダンジョンを攻略すると言うからには、安全ではないということの予想はつく。つまり何らかの敵がいるという事である。 (これについては、あらすじには書いていない為、ネタバレを防ぐのに、”敵”と表記します) この敵について。これが家の地下に居たらとても怖いなと思う。しかもダンジョンが出来た直後、不幸にあった人もいるらしい。そんな事から主人公は、この敵を警戒しつつダンジョンを攻略しようと言いうわけだ。 ダンジョンが出来た経緯についてもこの場面で詳しく描かれている。簡単に説明すると、世界規模の大災害と呼べる地震の後に、出現したという。 ここで二つの仮説が立てられるのではないだろうか。 一つ、ダンジョンを出現させるために揺れたという説。 二つ、何らかの理由により大災害後に何処からかダンジョンがやって来たという説。 ダンジョンが出現した経緯には、この点については書かれていない。その為この先も謎のままなのか、それとも明かされるのだろうかと妄想も膨らむ。 主人公が、自前の装備(物置に眠っていた金属バット、安全第一ヘルメット、カビ臭いスキーウェア、冬用ブーツ)でダンジョンに潜ると、前回潜った時よりも多い数の敵がいた。これは予想外の展開。 ここで初めての戦闘が行われ、あるものを手にする。主人公も予想を立てていたが、ここは完全に異世界または異空間なのかもしれない。敵が異常なだけではなく、相棒なる相手とも出逢う大切な場面。どんな相手なのかは、もちろん読んでからのお楽しみ。 このダンジョンのシステムはとても面白い。スキルを手に入れることは出来るようだが、強さやレベルなどはないのであろうか。この部分では、大まかなシステムは分かるが、まだ謎は残っているという状態。今後詳しく明かされていいくのが楽しみである。 【登場人物・物語の魅力】 この物語には魅力的な登場人物が、多く存在する。段々おかしな方向に行く、主人公の相棒ともいえる存在。彼女は、徐々に世界に毒されていくような気もしなくもないが、和みや笑いを提供してくれる存在でもあり、主人公にとっては強力な助っ人であるように思う。 そして主人公は、無謀ともいえる好奇心旺盛な男性。軽い気持ちで潜ったものの、武器がないと進めないという事に気づく。度々作中に出てくるが”主人公はゲーム脳”というものらしい。 補足1:そもそもゲーム脳とは。(web調べ) ”ゲームをすることが脳に悪影響を与えるということを主張”し一時期、問題になった”エセ科学”が発端で使われるようになった言葉のようだ。 しかしながらその後の研究で、ゲームをする人はしない人に比べ、多角的にもの事を捉えたり、3Dゲームをプレイしたグループは、他のグループ(2Dゲームやゲームをしなかったグループ)に比べ”明らかに記憶力や思考力が向上した”などの研究成果などが報告されている。 つまりゲームをしたほうが、頭は良くなるという話である。しかしながらこれは、ゲーム脳という言葉が根付いた発端であり、用語そのものの意味ではないようだ。 補足2:ではゲーム脳という言葉の意味とは。(web調べ) ゲームを長時間、または繰り返しプレイしている人間の脳を意味する語である。この本来の意味とは異なり、現実とゲームの区別がつかなくなったり、あるいはゲームの影響で暴力性を増した思考回路や人を指すこともある。 以上のことから、恐らくこの物語で使われている”ゲーム脳”という言葉は”現実とゲームの区別がつかない”という意味合いで、現実で起きていることをゲームに置き換えて考えていることを指すのではないか思う。 そして上記に記載した通り、主人公は頭が良いのではないだろうか? 何故そう思うのかと言うと、とても冷静に状況を判断しているからだ。つまりこの物語は主人公がゲーム脳であるということにおいて、リアイティを持たせていると感じた。 (それを説明するための補足である) この他にも主人公の友人の対応や、両親の反応など、笑いどころが満載で面白い物語である。自宅に戻る度に起こるのか現時点では分らないが、両親との会話が毎回面白い。全体的に緊迫感と笑いという両極端な要素を持っている、飽きない作品である。 【物語の見どころ】 この物語は、世界で起きた大震災後に”我関せず”と言った風で、主人公が家の地下に突如現れたダンジョンに夢中になり、攻略していくという物語である。 ゲーム脳である主人公は、冷静でありダンジョンで起きることをゲームに置き換え、困難を乗り越えていく。 例えば、戦う為には武器や防具が必要と考えたり、出てきた敵に対して”ゲームであったなら”と想像して戦ったり。ダンジョン攻略そのものも、面白く興味深いが、相棒とのやり取りもとても面白い。 この辺はネタバレを多く含むため、是非作品にて確認していただきたい。 恐らくわき役であると思われる両親も、とても魅力的に描かれている。息子との少し漫才風の会話に笑ってしまう。 登場人物にもダンジョン攻略にも魅力のある物語だと思う。 果たして主人公の辿り着く先とは何処なのだろうか? このダンジョンの存在する意味とは? 物語の先を、是非その目で確かめてみてくださいね。 お奨めです。

5.0
  • 作品更新日:2024/2/22
  • 投稿日:2021/8/8
ノベルアップ+ファンタジー連載:255話

賢者が恋した賢者の恋

【物語は】 二人の女性が戦っている様子が、リズミカルな表現の呪文と情景描写によって描かれており、その後プロローグへと移っていく。演出の凝った始まりとなっている。その戦いを見守る数人の者たち。彼らが物語の主要人物なのだろうか。しかしこの時の彼らは、ある人物の強さを示すため、桁違いの戦いを見守る観衆であった。プロローグには、この世界を変える”予感”が描かれている。ここから少しずつ、この世界の謎などについて紐解かれていくに違いない。 【登場人物の魅力】 プロローグでは、まだ一人の名前しか明かされていない。数名の人物が出てくることは分かってはいるが。この物語の良いところは、登場人物が多めなのにも関わらず、一気に名前を出すことが無く、読者がついて行けないという現象が起きないところである。プロローグでは数名の登場人物が、容姿の特徴のみで語られている。この先出てくることになるであろう人物たちだ。彼らはいつどのように登場するのか。または、出会いから描かれるのだろうかなど、色んな憶測が広がる。一章に入ると、あらすじに書かれている”絶大な魔力を有する麗しき女魔導師”が出てくるのだが、その肩書のイメージとはかけ離れた女性が登場する。あなたは、あらすじからこの女性をどんな人物だと想像するだろうか?想像してから読むと意外性に驚くはずである。 【物語の魅力】 この物語に触れるにあたり、作者様から少し説明をいただいている。その構成はとても面白い。この物語の核心に迫るのは三章であり、それは過去にあるという。つまり、この物語は過去に重要な何かがあるという事だ。そこに至るまでに、主要な登場人物たちの目的や普段の様子、人間関係が語られているのではないかと思われる。実際物語に入ると、堅苦しい感じはせず、コミカルな部分もある。 一話では、店の店主とのやり取りで笑ってしまう部分もある。その中で魔女と一緒にいる人物の両方がどれだけ凄い存在なのかもわかっていく。この物語は、全体に良いリズムで紡がれていく。会話の内容は真面目だがコミカルなので、サクサク読めて面白い。群像劇なので視点が移りかわっていくものの、読み辛いという事もなく、誰の視点であるのか明記しているわけではないが、分かりやすい。 【物語の見どころ】 プロローグ部分と本編とでは、かなり雰囲気が変わる。プロローグ部分は重苦しく感じる部分もあるが本編に入ると、とても明るく快活なイメージへと変化する。つまりそれだけ導入部分に重点を置き、世界観を大切にしていると考えられる。この物語の世界は破滅へと向かっているようだが、暗い出来事もあれば明るい出来事もあるという、当たり前の日常風景により、人々が生活しているというリアリティを持たせていると感じるのだ。何かに驚くこともあれば、恋をすることもある。ここには現実と変わらない世界が広がっている。しかし、それは人が暮らすという意味での変わらないである。ファンタジーらしさも大切にしている物語だと感じる。オリジナル部分の世界観について、特に”物の名”などは凝っている。しかも、凝っているだけではなく”美しさ”も感じた。(美的センス) 読む手が止まらなくなる、読みやすい物語である。続きも非常に楽しみだ。 是非あなたもお手に取られてみませんか? しっかりとした世界観があり、丁寧に作られた作品です。読者を楽しませようとする作者の想いも感じます。お奨めです。

5.0
  • 作品更新日:2024/5/6
  • 投稿日:2021/8/1
カクヨムノンフィクション連載:65話

ノンストップ・アクション1,2~バックパッカー青春放浪記~

【物語は】 ふとしたきっかけで、20年のことを思い出すことから始まる。そして、その旅行の記憶は機内から始またのだった。隣の席の客とのやり取りを通して、自分が一人旅をすることになった経緯や、旅の意義などについて考える主人公。旅の目的に理由はつけられるものの、その行き先がヨーロッパであったという理由については、明確に自分の意志もしくは目的があると述べることが出来ないようだ。それでも旅は既に始まっており、憧れの地へ降り立つこととなる。しかし、そこでの初めての経験は、明るいものではなく幸先の良いスタートは言えなかった。ここから主人公がどのような旅を続けるのか、悪いことばかりでないことを祈りたい。 【物語の魅力】 一ページ一日というスタイルで読みやすく、その日あった出来事が魅力的に描かれている。凝縮された一日といった感じがする。だが彼が旅に出ることになった詳しい経緯を知ると、なんだか切なさがこみあげてくる。彼は、自分自身の過去と戦いながら、旅を続けている。その中でいろんな経験をし、過去を断ち切ろうとしているのではないだろうかと感じた。その時の心理や、どんなことがあったのかが詳しく書かれている為、次はどんなことがあるのだろうかと、好奇心を刺激する物語である。 【登場人物の魅力】 この物語は、私小説とある。私小説とは、自身の体験などを元にした小説のことである。それが納得できるほどに出会う人に個性を感じ、世の中には色んな人がいるんだなと、改めて思わせてくれる。それだけ人々が活き活きとし、魅力的であるということ。人が人を騙したりするのは全世界で共通であるし、知らない土地に行った時、他国籍の人間に親切な人もいる。他国で出逢った同じ国の人には、仲間意識を持つこともあるし、親近感が沸く場面もある。旅の中で触れるもの、触れることで考えたこと、そして問いかけ。辛い恋を忘れるために旅を続ける主人公は、一日一日を大切にし、日々を積み重ねる。日記という世界に、言葉を紡いでゆく。不思議な感覚を呼び起こす旅行記である。 【物語の見どころ】 バックパッカーとは、低予算で国外を個人旅行する旅行者のこと。 バックパック(リュックサック)を背負って移動する者が多いことから、この名が付けられた、とある。(ウィキ調べ)この物語は決してゴージャスな旅ではなく、人情を感じさせる旅の物語である。そこには良いことばかりではなく、教訓となることも多い。旅行をしたことがある人は、その場所の風景が浮かびその当時のことに想いを馳せることもあるだろう。しかし、行ったことが無い人でも楽しめる。情景描写が丁寧なこともあるが、その時の気候、転機、その時の気持ち。ありのままの姿が描かれているように感じる。 是非、あなたもお手に取られてみませんか? まるで旅行をしている気分にもなれます。

5.0
  • 作品更新日:2019/12/29
  • 投稿日:2021/8/1
ノベルアップ+恋愛連載:9話

理論派の俺が死にまくる

1 読む前の印象や予想など(表紙やあらすじなどから想像したこと) 主人公の俺が、悪役令嬢転生のような物語をプレイすることになるのだろうか? 主人公がやけを起こしてつけたタイトルだけれど、タイトルの通りになるのか? この時点ではまだ分からないので、楽しみな部分でもある。 一体どんなルートが展開されていくのだろうか? 2 物語は(どのように始まっていくのか?) 異世界転生などでよく感じる疑問点から始まっていく。確かに転生ものには2種類のスタートがあると思う。赤子からスタートか、ある年齢からスタートか。赤子からではない場合というのは、転移と転生の間のようだなと感じたことがある。いきなりうんうんと頷いてしまうような内容から始まり、理論派であることが納得できるような話の流れとなっている。どのような内容なのかはネタバレとなってしまうので、その目で確かめて欲しい。とても面白い論理的な仮説が述べられている。あなたならどの説を推すだろうか? 3 世界観について 例えばアドベンチャーゲームをプレイする。人は、いろんなエンディングを見るための順番や短縮方法などを考えてとしても、もっと根本的なプレイヤー(ゲームの中の人物)について深く考えたりはしないと思われる。何故なら通常人は、外の人(ゲームをプレイする人)だから。 これは書き手ならではの視点であり(ゲームプレイヤーではなく)、着目点がとても面白い。世界観の説明になっていないかも知れないが、読んでみるとこの説明にした意図が伝わるはずだ。 4 良かったところ。印象に残ったところ。好きなセリフなど。 ・主人公が面白い。 物語の面白さの決め手はやはり人物だと思う。 その中でも、心理部分が物語の面白さを左右すると考えている。 この物語の主人公は”理論派”なのだ。面白いことを考えているなあと感じた。 ・理論派であることが活かされている。 ・自分の選択が自分に降りかかる悪夢を形成?! (詳しくは言えませんが、笑ってしまった) ・ルートの詳細もあり、面白い。笑ってしまう。 ・実際にゲームをしている気分になれる。 5 お奨めしたい部分 ゲームのその先について色々と考えさせられる。自分の好きなゲームをもしキャラクターとして実際にプレイすることとなったなら? やはり一番気になるのはご臨終についてだろう。例えばオンラインRPGで死んでしまい他のプレイヤーに生き返してもらえないと、しばらくして教会に飛ばされるというのがあったが、実際にキャラクターとなったなら気が気ではないだろう。 この物語の舞台となるゲーム世界にもバッドエンドというものがある。バッドエンドのその先は? と考えると選択肢を選ぶのも慎重になるだろう。なにせ自分の生死がかかっているのだから。こういった多種のルートのあるゲームをしたことのある人は、いつもと違う視点で楽しむことのできる物語だと思う。 6 物語のその先を想像して 会長ルートのその先を想像してみようと思う。何となくだが、何か不測の事態が起きてバッドエンドになるのではないだろうか? そんな想像をした。続きの楽しみな作品である。 あなたもお手に取られてみませんか? おススメです。

5.0
  • 作品更新日:2021/10/6
  • 投稿日:2021/10/14
ノベルアップ+恋愛短編完結

たまには馬鹿になれ!!

1 読む前の印象や予想など(表紙やあらすじなどから想像したこと) 好きな人がいる主人公。彼は友人にそそのかされ、なんだか無謀な作戦が繰り広げられようとしているのではないだろうか? 2 物語は(どのように始まっていくのか?) 真面目な主人公が、友人にある一言を告げられ衝撃を受けるところから始まっていく。 たまに真面目過ぎてアホであるという人を見かけるが、そんな感じの憎めない主人公である。 3 世界観について ファンタジー世界だろうか? 王子が権力によって、主人公の想い人と無理矢理婚約。 権力については現実もファンタジー世界もあまり変わりがないのかも知れないが。 身分のある様な世界観である。 4 良かったところ。印象に残ったところ。好きなセリフなど。 ・主人公は真面目だったが、友人に言われたとおりにバカになる。 しかし、友人はそういう意味合いで馬鹿になれと言ったのではないのではないか? ・友人と主人公のやり取りが面白い。 ・計画が凄すぎる ・前代未聞のわらしべ長者 ・ズレているところが面白すぎる ・魔王さえ操るところが凄すぎる ・馬鹿になる、確かにそうなのだが戦略勝ちともいえる ・忍耐と自分を信じる心 5 お奨めしたい部分 人間やる気になれば何でもできる。それは戦略が物を言うのであって、力ではないとい事。 つまりは頭を使うということ。そしてどんな汚い手を使ったとしても、真心は必ず相手に伝わると感じた。 大切なのは諦めない心。自分を信じてバカになること。馬鹿になるとは必死になることなのではないかと思った。 笑ながら読める話であるにも関わらず、メッセージを感じる作品だなと感じた。 6 物語のその先を想像して 主人公ならどんなに時間がかかっても、必ず目的を達成するのではないかと感じた。 真面目を捨てた主人公はとても魅力的に感じる。ちょっと空気が読めなくて死にかけていたけれど。 恐らく、幸せになれるのではないかと思う。 あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? お奨めです。

5.0
  • 作品更新日:2021/9/16
  • 投稿日:2021/10/16
カクヨムファンタジー連載:366話完結

東京メイズ・ウォーカーズ! ~黎明期のメイズ受託業者達~

【簡単なあらすじ】 ジャンル:現代ファンタジー 高校最後の思い出にと親友と3人で行った先のキャンプで、主人公の親友が行方不明となった。親友の失踪から8年後。世間は突如出現したメイズや感染症の影響などにより不況の真っただ中であった。主人公はブラック企業に勤めていたが、バイトテロのせいで失業してしまう。生活費を抑える為、近くのスーパーに寄った帰り道、主人公は不思議な空間へ落ちてしまうのだった。そこで主人公が見たものとは……? 【物語の始まりは】 主人公は大学受験を控え、親友たちとキャンプに来ていた。親友二人は惹かれ合ってはいるもののなかなか進展しない。リア充爆発しろと思いつつも、進展しない二人に肝試しを持ちかける。もちろん背中を押すためだ。二人の進展を願い、肝試しに送り出した主人公。しかし自体は急展開を迎える。なんと親友が行方不明になってしまったのだ。まるで神隠しにあったかのように。 【舞台や世界観、方向性(箇条書き)】 2020年のリアルな社会にファンタジーをかけ合わせた舞台という印象。 ブラック企業、バイトテロ、感染症による不況。そこに加えて架空の要素メイズ。もしこんな世の中になったら、大変である。 【主人公と登場人物について】 メインとなるのは、主人公と行方不明になる親友。 舞台となる2020年より8年前に親友は主人公が提案した肝試しによって行方不明となる。その8年後、彼の葬儀が行われ形見分けとして受けとった鏡により、彼とやり取りをすることとなる。彼から聞いた話は異世界の話しであったが、どうやらこちらの世界との共通点もあるようで? 【物語について】 親友失踪から8年後。新総理となる人物からこれまで世界に起きたことについて語られていく。メイズとは何か。どのようにしてできたのか、調査の結果など。現在の時代背景明かされていき、主人公の視点へと戻る。 この物語の舞台は現代の日本にファンタジー要素をかけ合わせたもののようである。社会問題や現在置かれている状況などと被るので、想像しやすい世界が土台の印象。 主人公が8年前に行方不明になった親友の葬儀で形見分けで貰った(正しくは主人公宛てではないのだが)鏡を通じ、その親友とやり取りをするところから、物語は大きく動き出す。謎の穴、メイズと呼ばれるものと似たようなものが、彼の世界にも存在したのだ。しかし、主人公がそのメイズについて知る情報はまだ少ない。しかし親友は異世界で勇者と大賢者を兼任し、「魔坑」と呼ばれる存在を討伐した人物。この世界に光を齎す希望となるのではないだろうか? 期待が高まる展開だ。 【良い点(箇条書き)】 ・どんな風に現代とファンタジーを融合させているのだろうか? と思ったらとても面白く巧い融合の仕方をしている。異世界召喚をこういう風に使うのか。と感心。そもそも神隠しも異世界転移や異世界召喚と同じ考え方だよなあと改めて思った。 ・法律に関して、作る側と実際に体験し良いところ悪いところを世間に公表する側、そして世論の三方向から描かれているのも面白いところであり、リアリティを持たせていると感じた。 ・途中までは硬派(?)路線に感じる物語なのだが、ハム太が出始めた頃から笑いが含まれていく。 ・考え方がまとも過ぎて面白いと感じる。(11話より) ・妹が世間知らずで、兄がそれを何とかしようとするが、妹が空気を読めない場面での田中さんが熱い! 感動した。 ・メイズに行くことになる伏線が……(笑) ・表現の仕方がとても巧い。 【備考(補足)】15話まで拝読 【見どころ】 とにかく構成が良い。真面目な部分と笑ってしまう部分のバランスもとても良い物語。法律などはよく考えられており、何故今の時代を舞台にしたのかの説得力もある。必然性で成り立った設定だと感じた。 伏線が綺麗に回収されていく様も素晴らしい。そして世間は狭いという言葉がぴったりなほど、登場人物に繋がりが持たされているのも面白く、いろんな形で何度もピンチは訪れるものの巧い具合に切り抜けていく。主人公は真面目で一般的な人物だと思われる。常識を持ち、余裕があればサボりたい気持ちも起こる、面倒は避けたい、とても人間らしい人物。そして、彼の周りの人物はとても個性的だ。 物語は、メイズが出現しそのれに関しての法律などが語られていくところから、現在の状況が明かされていく。その為硬い話なのかと思いがちだが、リアリティを持たせた物語であり笑いも多く含まれる。ホントにこんなことが起きているのではないかという臨場感や錯覚をおこさせる物語。法律の説明などについては多少わからなくても、ついていける上、楽しめる物語である。 あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか?  主人公はメイズの中でどんな成長を遂げていくのか? 世界はどうなっていくのか。是非その目で確かめてみてくださいね。おススメです。

5.0
  • 作品更新日:2021/11/10
  • 投稿日:2021/11/20
カクヨム歴史・時代連載:208話

越後の龍上杉謙信と戦国時代をこよなく愛する女の物語

【簡単なあらすじ】 ジャンル:歴史、タイムスリップ 大学で上杉謙信の城である春日山城を研究していた主人公は、その日も春日山城へ向かっていた。しかし途中で突然声をかけられ、何かの演出だと思っていたが刺されてしまう。気づいたらタイムスリップしていて……?! 【物語の始まりは】 主人公が死ぬところから始まっていく。 主人公は戦国武将が大好きであり、特に新潟県上越市の戦国武将、上杉謙信オタクであった。そんな彼女は大学で上杉謙信の城である春日山城を研究。そしてよく春日山城に登るのだが、舗装された道ではなく、裏道が好きなのだ。そこには情緒を感じることができるから。そしてその日も一人で春日山城に登っていると、突然「姫! ここにいらっしゃったのですか!」と声をかけられ……?! 【舞台や世界観、方向性】 過去にタイムスリップして転生。 主人公は元よりそうであるが、この物語では上杉謙信の話し方が現代風であるので、言葉が分かり辛いということはないと思われる。 オタク感を表現している作品。作者自体も歴史物が好きだということが、話ごとの最後に加えられた筆者の戯言から伝わって来る。 【主人公と登場人物について】 一人でいつものように春日山城に登っていたところ、コスプレでもしているのか? と思うようないで立ちの人に声をかけられた。主人公はそれをおもてなしと思っていたら、何故か刺されてしまう。そこで意識は途切れた。 その後目が覚めたら春日山城に居たのだが、天井から落ちてきたということや服装のせいで、ことあるごとに忍者なのか? と問われる展開に! 【物語について】 現実に居たはずなのに、刺されて意識を失い死んだと思ったら、別の場所で目が覚める。過去に転生というスタイルなのだろうか。 目を覚ますと主人公は、今は存在していないはずの春日山城におり、助けてくれた人物は長尾景虎と名乗った。つまり令和の時代には生きていないはずの 上杉謙信である。主人公はこの時点ではまだ自分がタイムスリップしたことは信じ切れてはいないようだが、持ち前の明るさで彼と打ち解けていく。彼の人となりは参考文献によって作られているのか、こういう性格であったのかまでは分からないが、とても気さくで明るく少なくとも彼女に対しては懐の広い人物として描かれており、家臣にも好かれている。全体的に明るい雰囲気を持った物語。果たして主人公はこの先どのような体験をしていくのであろうか? 【良い点(箇条書き)】 ・作者の好きが存分に伝わって来る。 ・実在か架空か分からない人物も登場する。定かではない人が歴史物を舞台とした小説に出てくるのはなかなか斬新だと感じる。そしてその人物が何故、実在したのかわからないのかという理由についても補足がある。 ・斬新なスタイルの物語。主人公自身の心情でオタク度が分かるのではなく、作者自身のオタク度の分かる描き方というのは珍しいスタイルだと感じた。 ・作者の願望を具現化しているような作品であり、とても素敵だなと感じる。小説とは夢を描くもの。正にそんな作品である。 ・歴史物好きというと、文も古めかしく分かり辛い書き方をするイメージを持つが、この作品は会話などが現代風なのでとても親しみやすい。イメージを覆す作品だなと感じた。 【備考(補足)】十話まで拝読 【見どころ】 この物語の一番の特徴は、過去にタイムスリップするのだが会話が現代風なことである。登場人物についても現代風に解説されており、歴史物を読むような堅苦しさがない。初めのうちは現代風の言葉で話す歴史的人物に違和感を持つが、慣れてくると分かりやすさが際立つ。作者の上杉謙信好き、歴史物好きの伝わって来る作品であり、それをいかに色んな人へ読んでもらうか工夫を凝らした作品でもあると感じた。 歴史物好きな方というのは、その時代の言葉も隙だったりするものだ。拘りなどもあるだろう。しかしその拘りは、自分のものであって万民に受け入れられるものとは限らない。事実古文が苦手という人も多いはず。だが現代風の言葉であれば予め知識がなくとも、理解しやすく親しみやすいもの。そういう意味でも、この物語は魅力が伝わりやすく、分かりやすい物語となっている。歴史に疎くても、古文が苦手でも楽しめる作品だ。 あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? 作者の上杉謙信への愛の詰まった作品。おススメです。

5.0
  • 作品更新日:2022/3/13
  • 投稿日:2021/11/20
エブリスタSF短編完結

ユフの果樹園 【ユフの方舟1】

(感想です) 表紙、素敵ですよね。 以前”わたしを離さないで”という映画を観たことがあります。それは臓器提供の為のクローンのお話だったかな。 この物語を読んで、いろんなことを考えました。人間が人間を補うということ。人生を選択するということ。覚悟を決め、時を生きるということ。 今人類は、正に誰にでも等しく死が訪れる恐怖と戦っている。その中で、限りあるからこそ自由に悔いなく生きるということを考えている人はどれくらいいるのだろうか? ただ、それが出来る人というのは心に余裕がある人なのだとも思う。 この物語では、どちらを選んでも”種を絶やさない”という選択なのだろうなと思う。なので、どちらもあまり幸せには感じなかった。長く生きても、果実としてその命を捧げても。だからこそ、自分たちで選択して生きることの尊さを感じることができる。今の自分の人生がどれほど恵まれていて自由であり、幸せなのかを。人生に不満ばかりの人には是非読んで欲しい物語だなと思った。 特に日本は自由な国だと思う。ニュースなどを見ていても、何かを力ずくで強制されたりしない国だ。だからこそ、その自由を守るために一人一人が常識的に、かつ良識を持って生きるべきなのだと。 自分の人生やこの国について深く考えさせられる作品だなと感じました。 あなたも是非お手に取られてみてくださいね。 おススメです。

5.0
  • 作品更新日:2020/11/11
  • 投稿日:2021/9/10