２９歳ホームレス、女子高生YouTuberに拾われる。

家、家族、仕事を失いホームレスとして暮らす山本には、何の気負いもなく暮らせる居場所など、もうどこにもなかった。 世間から煙たがられ、たった独り橋の下で時間を浪費する彼にあったのは、最近出会ったとある女子高生と言葉を交わす、そんな他愛もない一時だけ。希望で溢れた彼女との時間だけが、自分が”人”であると実感できる唯一のきっかけだった。 ある日その女子高生、絵舞（えま）は言った。 私も独りだから、あなたの気持ちはよくわかる。 だから独りぼっち同士、一緒に暮らせばいいのだと。 当然断る山本に、絵舞は隠していた正体を明かした。 それは社会から弾かれた山本には、訊きなれない単語。 『YouTuber』と呼ばれる、動画投稿を生業にする職業だった。 「私と一緒に暮らして、動画編集してよ！」 こうして始まる２９歳ホームレスと女子高生YouTuberの二人暮らし。 二人の未来と過去を繋ぐための、当たり前で、でもちょっぴり非日常なラブコメディ——。 ※この小説はカクヨム様でも公開しております。