お花畑で夢を見続けたいのならご勝手に、私はとっくに「目覚めました」ので
最終更新:2022/3/11
作品紹介
不意な事故に巻き込まれた花の独身39歳のキャリア官僚”天見さやか”はこの世を去った。 神の気まぐれか奇跡か輪廻の輪から零れ落ちてしまう。 微睡ながら世界を渡るうちにたどり着いた異なる世界。 その世界にある公爵家の夫妻の元に宿った魂の傍らに落ちた。 夫妻や家族たちの愛に包まれ守られた魂はやがて美しい公女-―”ヴィクトリア”--として世界全てから祝福され生れ落ちる。 さやかはヴィクトリアの魂の傍らで昏々と眠り続けていた。 その眠りを邪魔するように届いたヴィクトリアの叫びがさやかの魂を揺さぶり起こす。 そして傷ついたヴィクトリアの魂はさやかと入れ替わるように眠りへと落ちていく。 その出来事は世界に投げ込まれたさやかという小さな雫がもたらした小さな世界の揺らぎに過ぎない。 だがその揺らぎがやがて世界を満たす波紋になり広がっていく。 やがて波紋は重なり合い、干渉しあいながら大きな波となってこの世界を飲み込んでいくこととなる。 出来の悪い婚約者の王子や不貞相手の男爵令嬢との騒動、王家との確執、それらと向き合ううちにヴィクトリアの幸せを取り戻すため踏み出したさやかは、やがて世界を歪ませた存在と理由を知ることになる。 王家と高位貴族をめぐる過去の遺恨 何かがおかしいこの世界を修正し、再びヴィクトリアの魂に寄り添い微睡む日々に戻ることを夢見て始まった ――――公女ヴィクトリアの中の人となったちょっと残念なさやかの冒険。
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