邪法使いの影法師

※本作は、『カクヨム』様にも投稿させていただいております 　これは、異世界の記憶を持つ男、ペルシオの物語。 　順風満帆かと思われた彼の人生は、12歳の時に変わり果てた。伝説にて悪とされ、今や技術はすべからく潰えてその名しか残らぬ「邪法使い」、彼はそれだと判明したのだ。 　彼に向けられた忌避、侮蔑の感情は、彼の心を蝕むには充分過ぎた。 　同時、彼の住む大陸には、波乱が訪れていた。「魔王」の台頭、魔王軍による侵攻。そして、救世主である「勇者」の誕生。彼女の名はメリア。 　彼は、邪法を蘇らせ、それに手を染めた。……それは、彼女のためでもあったという。今や彼は、人間では無い。人と同じ様に生きるモンスターだ。未だ今はかつての人間の姿を保っているが、それも長続きはしないだろう。 　人知れず、勇者に敵対するものを粛清し、後には骸のみを残して彼は消える。それを、勇者にすら気取られる事も無く――