龍王戦記
最終更新:2022/4/29
作品紹介
中原随一の大国、コウラン国には開闢より大切に守られてきた神祇が存在する。 戦乱の折、高祖ユウシンが龍王より賜ったとされる至宝の玉だった。 ふたたび国乱れ、多くの民が血涙を流す世となったとき、龍玉は真に国を治むるにたる人物をみずから選び出し、その者に神力を与えるとされている。 その龍玉が、あるときを境に禍々しい光を放ちはじめた。 不吉を示すように皇太子が病死し、その死を巡って第四皇子イスファが弑逆の罪に問われることとなる。 黄金の髪にあざやかな碧眼。 異国の血を引く身でありながらも、知勇ともに有名を馳せ、民からも厚く慕われる高潔な人物として知られていた。 謀略によって彼を陥れたのは、次期皇帝の座を狙う第二皇子ランギョク。 後継を巡り、朝廷内に不穏な空気が渦巻く中、今上皇帝ヨウシュンもほどなく崩御し、ランギョクによって生命を狙われていることを知ったイスファは、配下の手を借りて獄中からの逃亡を図る。 時を同じくして帝都ケイヨウ北部に位置するテンリュウ山周辺に新興勢力が組織され、それは瞬く間に朝廷を脅かす存在へと成長していった。 コウラン国の混乱に乗じて侵攻を企てる周辺諸国。新皇帝ランギョクの登極以降強いられるようになった圧政。 それらに叛旗を翻すべく、立ち上がった者たちの集団だった。 もとはならず者たちの集まりに過ぎなかった組織を束ね、率いる者の名は黄金の獅子を従えると噂されるテンリュウ公。 過去の記憶をなくした流浪の男リョウガは、偶然出会った賊徒らによっていつしか稀代の英雄に祭り上げられていた。 無実の罪によって宮廷を追われることとなった第四皇子イスファ。 暴虐のかぎりを尽くす新国家に立ち向かうべく終結した者らを束ねる新興勢力の長リョウガ。 そして、手に入れた権力を恣にする新皇帝ランギョク。 龍玉によって選ばれる、真の英雄が安寧の世を築くまでの戦乱の物語――
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