アリとキリギリス 冬を超えようとした俺と、夏で終わろうとしたヤツ
最終更新:2013/8/28
作品紹介
キリギリスが死んだ。 キリギリスの名は、岡原 健治。親友だった。 「俺をキリギリスとするなら、お前はアリだな」 高校時代、昼休みの喧騒に包まれた教室で奴は言った。 「俺は人生を夏にかけた。お前は冬を越えるために蓄えた」 高校三年の冬。窓の外では、積もりもしない雪が舞っていた。 俺たちは、俺たちの道を行こうとして、そして互いの道を見守っていた。 それぞれが幸せになるはずだったし、それは概ね外れてはいないのだろう。 だが、俺はアリで、ヤツはキリギリスだった。
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